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アメリカ医師会の大腸癌スクリーニングガイドライン [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
アメリカの大腸癌スクリーニング.jpg
2019年のAnnals of Internal Medicine誌に掲載された、
アメリカの大腸癌スクリーニングの基準についての論文です。

大腸癌検診としては、
便潜血検査と大腸内視鏡検査の有効性が、
世界的に認められています。

ただ、そうした検査をどのような組み合わせで行い、
どのような年齢層を対象として、
どのような間隔で行うのが適切か、
というような点については、
国や地域、推奨する組織においても、
それぞれ異なっているのが実際です。

今回のガイドラインはアメリカ医師会(the American College of Physicians)
によるものですが、
アメリカの大腸癌スクリーニングについての、
標準的な考え方を示しているものです。

これによると、
大腸癌のスクリーニングは、
平均的なリスクの成人では、
年齢は50から75歳を対象とし、
便潜血検査を2年毎に、
大腸内視鏡検査(S状結腸鏡を含む)を10年毎に、
施行することが適切であるとされています。

大腸癌の家族歴があったり、
長期の炎症性腸疾患に罹患していたり、
家族性腺腫性ポリープがあるようなケースは、
高リスクと考え別個のスクリーニングの基準を適応する、
となっています。

日本においては、
年齢はより広く適応し、
検査の間隔もより短くする傾向がありますが、
それはトータルに見て、
スクリーニングの有益性を低下させ、
過剰診断や過剰検査に結び付き易いという点は、
押さえておく必要があると思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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