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レストランでのカロリー表示の効果 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日で診療は午前中で終わり、
午後は別件の仕事で都内を廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
カロリー表示の効果.jpg
2019年のBritish Medical Journal誌に掲載された、
レストランのカロリー表示の効果を検証した論文です。

世界的に肥満による健康リスクの増加が、
大きな社会問題となっています。

その原因の1つと考えられているのが、
ファストフードを含む外食の、
カロリーが高く糖質を多く含む、
口当たりが良く癖になりやすい食品の存在です。

こうした食品の摂取量を抑える目的で、
国内外で導入されている方策の1つが、
食品のカロリー表示の義務化です。

食品をレストランなどのメニューで選ぶ際に、
そのカロリーが表示されていると、
「こんなにあるのか、もう少し控えよう」という意識が働き、
カロリーの少ない食品を選ぶ、
という効果が期待されたのです。

しかし、このようなカロリー表示は、
実際にどの程度のカロリー制限効果があるのでしょうか?

今回の検証はアメリカのもので、
カロリー表示の導入前後で、
104のフランチャイズのレストランにおける、
消費者の動向を調査しています。

その結果、
カロリー表示の導入後に、
1つの注文当たり60キロカロリー程度の、
軽度のカロリー制限効果が認められました。
しかし、その後1週間に0.71キロカロリーのペースで、
カロリーはむしろ増加に転じ、
1年を経過した時点ではカロリー表示のカロリー制限効果は、
相殺されてしまっていました。

このように、
外食のカロリー表示の効果は、
あっても一時的なもので、
長期的なカロリー制限の維持には、
実際には繋がっていないようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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