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興福寺南円堂(リニューアル) [仏像]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診ですが、
レセプト作業が追い込みで間に合わないので、
泊まり込みでクリニックにいます。
泣きそうです。

日曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
南円堂.jpg
これは興福寺の南円堂です。

先日奈良に行きましたが、
その主な目的な興福寺の南円堂でした。

興福寺には南円堂と北円堂という2つの対象的なお堂があり、
北円堂は毎年春と秋の一定期間開扉されていますが、
南円堂は1年に1回10月17日にしか開扉されません。

そのために南円堂は一度は拝観したいと思いながら、
ようやくそれが叶ったのは6年前で、
この時は特別に何か名目がついて、
一定期間開扉がされたのです。

とてもとても感銘を受けました。

今回はそれ以来のもので、
10月17日から11月上旬まで開扉されました。

北円堂は運慶工房による仏像が有名ですが、
南円堂は運慶の父の康慶が主導した諸仏で有名です。

本尊は不空羂索観音の巨像で、
それを取り巻くように、
四天王像と法相六祖像という、
名僧6人の座像が安置されています。

これは鎌倉時代に作られた時からの配置です。

ただ、法相六祖像に関しては、
かなり以前に国宝館に移されて展示され、
前回6年前の御開帳の時も、
既にお堂の中にはいらっしゃいませんでした。
それが今回はお堂の中に再び安置されているのです。
感涙ものですね。

また、四天王像については、
以前から運慶工房によると思われる像が安置されていて、
おそらく四天王像の最高傑作と思われる名像ですが、
その像が再興された中金堂に移り、
以前は中金堂にあった像が、
移動する形でこちらに移されています。
これが平成29年以降のことのようです。

これは最近の研究により、
中金堂像がもともとの南円堂像であったことが、
ほぼ確認されたためで、
おそらくは100年以上ぶりに、
南円堂の諸像は元の配置に戻った、
ということになる訳です。

その成果は素晴らしく、
6年前を超える興奮と感銘を、
今回は受けることになったのです。

興福寺は、
せっかく森の中に古堂が佇むという風情が良かったのに、
どんどん樹を切り倒して、
真新しい建築をドカドカ建てるという、
薬師寺方式は気に入りませんが、
仏像の見せ方については、
LEDによるライティングや仏像の配置の歴史を踏まえた変更、
なるべく間近で拝観出来るような工夫など、
仏像マニアの心をつかむ発想と実行力が素晴らしく、
これからも幾度も足を運びたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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