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「日本殉情伝 おかしなふたり ものくるほしきひとびとの群」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は振り替え休日でクリニックは休診です。
今日はレセプト作業などするつもりです。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
おかしなふたり.jpg
これは「ハウス」、「さびしんぼう」と並んで、
僕が最も好きな大林宣彦監督の映画、
「日本殉情伝 おかしなふたり ものくるほしきひとびとの群」です。

この映画は監督が故郷を舞台にした、
「転校生」から始まる尾道シリーズの、
一応の完結編という位置づけの作品です。

ただ、監督はその後「新尾道三部作」を作ったりもするので、
前言は撤回され、グズグズの感じになってしまっています。

しかし、個人的にはこの作品が完結編、
というように思っています。

監督が好き勝手をやった作品というのは、
他にも沢山あるのですが、
この映画はその「遊び」の部分の完成度が高くて、
それがストーリー全体と巧みに融合しています。

作品の核としては、
南果歩さん演じる女性と、
三浦友和さんと永島敏行さんという、
2人の男性を巡るドラマがあり、
それを見守る傍観者的で作者のような、
まだ好青年だった頃の竹内力さん演じる、
謎の狂言回しの青年がいて、
最後は燃え尽きる映画館と、
そこに潜む銀幕のスターという亡霊がいて、
諧謔を演じる悲しい影法師と、
それを受け止める尾道の、
胸をノスタルジーでかきむしるような風景があります。
絶妙の撮影とKANによる音楽が、
そこに素敵な彩りを添えています。

この映画では尾道にいる人は不幸になるか、
ノスタルジックな幻想の中で滅んでゆきます。
そして最後に主人公達は尾道を出てゆくのです。
その意味でこの映画は間違いなく、
尾道シリーズという、
大林監督の尾道への執着のようなものからの、
解放を描いた作品なのです。
(これは勿論虚構としての「尾道」の話であって、
実際の尾道という場所の話ではないことをお断りしておきます。
念のため…)

この映画は最初お蔵入りになりかけ、
特別上映的な短期間上映しか行われていないので、
あまり多くの方に観られていないのが残念ですが、
大林監督の全てが込められた代表作として、
お薦めしたいと思います。

ただ、大林監督のしつこさやや幼児性、
多くの偏見やあくどさにも満ちた世界なので、
好き嫌いはとてもあることを、
予めお断りしておきます。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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