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新型コロナウイルス感染流行時の小学校休校の影響 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
スクールクローズの影響.jpg
JAMA Network Open誌に、
2020年11月12日掲載された、
新型コロナウイルス感染症流行時の学校休校の影響についての論文です。

新型コロナウイルス感染症流行の第1波の時には、
日本国内のみならず欧米の多くの国においても、
小学校などの休校の措置が取られました。

ただその措置の有効性については、
その時点でも否定的な意見もありました。

当初感染拡大の媒介として、
無症状の子供の存在が注目されたのですが、
実際にはそうした現象は明確には確認されず、
むしろ子供からの感染は、
大人より限定的で少ないとする見解が主流になりました。

逆に休校することにより、
子供の学習機会が減少することは、
結果として子供の将来的な余命を短縮する、
というデータも存在しています。

今回の検証はアメリカにおいて、
新型コロナウイルス感染症の初期に行われた小学校の休校措置が、
子供の将来的な余命に与える影響を、
学習機会を奪われることによる損失と、
感染が拡大することによる死亡リスクとを、
天秤に掛ける形で数理モデルにより検証したものです。

その結果、
98.1%の確率で学校を休校するよりも、
そのまま継続した方が、
結果として子供の将来的な余命の短縮を、
抑制する効果があることが確認されました。

個人的には学校は大嫌いで、
小学校や中学校は地獄のような思い出しかないので、
休校した方が僕の余命には全然良いのに、
というようには思うのですが、
一般的な考え方としては、
学校は子供の健やかな成長を促し、
教育により余命の延長効果もあるようで、
休校措置は今回の新型コロナウイルス感染症の流行抑止には、
むしろ有害であるという考え方が正統的なものであるようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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