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タニノクロウ秘密クラブ「MARZO VR」 [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日はクリニックは休診ですが、
午後は発熱外来を担当する予定です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
MARZO.jpg
12月22日から27日まで、
北千住のBUoYというカフェの一部で、
庭劇団ペニノのタニノクロウさんによる、
番外公演的な公演が行われました。

これは専用に製作された30分ほどの映像作品を、
VRゴーグルとヘッドホンを装着して体感する、
というものです。

内容は以前上演された「アンダーグラウンド」という、
外科手術をエンターティンメント化したようなお芝居を、
そのベースにしていて、
看護師の扮装をしたスタッフに、
病室めいた場所に案内されて、
横になってゴーグルを装着すると、
映像は病室で自分が患者として寝かされている、
という状態から物語がスタートする、
という趣向になっています。

最初は普通に血圧チェックなどをされているのですが、
そのうちにエロチックな看護師に、
誘惑されるようなパートがあり、
その後豹変した看護師に身体の自由を奪われると、
生きながら解剖されてバラバラにされてしまうのです。

これは相当ビックリしました。

さすがタニノクロウさんは頭のイカれた変態です。
(半分は呆れつつ、半分は感心しているという表現です)

勿論偽物であることは分かっているのですが、
映像で見せられている肉体が、
次第に自分の肉体と同一視されてしまうので、
そこにメスを入れられたりすると、
矢張り「うわっ!」という気分になります。

意図的に解体される肉体は、
偽物の人形のようにしか見えないので、
それでかろうじて耐えられましたが、
これでもっとリアルな人体が映っていたら、
リタイアしてしまったかも知れません。

VRに向いたテーマはエロとホラーだから、
それを臆面もなく複合してやった、
ということのようですが、
このある意味悪趣味の極地のような即物的な世界を、
綿密に作り込んで真面目に成立させてしまうという辺りが、
タニノクロウさんの変態たる所以なのだと思います。
(半分呆れつつ半分は褒めています)

3月に「縛られたプロメテウス」というVR演劇作品を観たのですが、
もっと藝術性のある作品でしたが、
VRの画像はかなり稚拙で没入感は乏しいものでした。
それに比べると今回のものは極めてリアルで、
その現実との融合は、
演劇と映像のコラボの、
新たな可能性を感じさせるものでした。

ただ、観客には女性もいましたが、
映像は明らかに男性目線で作られているので、
この点は幾つかのヴァージョンを用意するなど、
改良の余地があるようには感じました。

このジャンルが今後どのように進歩するのかは分かりませんが、
間違いなく小劇場演劇という領域においては、
1つの大きな潮流になるように思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い年末をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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