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「イノセンツ」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診ですが、
産業医の研修会などの予定です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
イノセンツ.jpg
公開されることは珍しい、
ノルウェー製のサイキックホラーで、
大友克洋さんの名作「童夢」にインスパイアされた作品です。

観てみると、
「悪役」の造形には違いがあるものの、
全体のコンセプトやラストなどは、
ほぼほぼ「童夢」と同一の部分があります。

団地に住む子供同士のサイキックバトルで、
大人は子供の超能力で操られるのが主な役割という感じで、
あまり重要な役割を果たしていません。

子供の個々の個性や人物描写、
破滅に至る段取りがなかなか巧みに出来ていて、
スリリングで見ごたえがあります。

ハリウッド製や韓国製、邦画とは明らかに肌合いが違い、
倫理観にも違いが感じられます。
日本で作るのは絶対無理、という感じの作品です。

緊張感の出し方や全体のトーンは、
クローネンバーグの傑作サイキックバトル映画、
「スキャナーズ」を彷彿とさせます。

しかし、「スキャナーズ」的な対決を期待してしまうと、
全ては抑制的で、
超能力と言っても、
水面の波紋や砂の動きなどで表現されるだけなので、
ちょっと物足りない感じは正直あります。

個人的には前半にかなり期待をしてしまったので、
後半は「これで終わり…?」という、
虚脱感を味わいました。

それでも、北欧映画の雰囲気はなかなか新鮮で、
子役の演技も見事なものなので、
あまり過度の期待を持たずに観るのであれば吉だと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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