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2019年の映画を振り返る [映画]

新年おめでとうございます。

北品川藤クリニックの石原です。

今年もよろしくお願いします。

今日は昨年観た映画を振り返ります。
昨年映画館で観た映画がこちらです。

1.スマホを落としただけなのに
2.斬、
3.家へ帰ろう
4.アトラント号
5.私は、マリア・カラス
6.マスカレードホテル
7.夜明け
8. ミスター・ガラス
9.サスペリア
10.天才作家の妻 40年目の真実
11.バハールの涙
12.12人の死にたい子供たち
13.七つの会議
14.女王陛下のお気に入り
15. アクアマン
16.ファースト・マン
17.アリータ
18.翔んで埼玉
19.グリーンブック
20.運び屋
21.バンブルビー
22.ブラック・クランズマン
23.ダンボ
24.スパイダーマン スパイダーバース
25.麻雀放浪記2030
26.ハロウィン
27.マローボーン家の掟
28.キングダム
29.アベンジャーズ エンドゲーム
30.貞子
31.コンフィデンスマンJP
32.町田君の世界
33.ハウス・ジャック・ビルト
34.アラジン
35.ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
36.長いお別れ
37.ファブル
38.トイ・ストーリー4
39.チャイルド・プレイ
40.天気の子
41.アルキメデスの大戦
42.ダイナー
43. ゴールデン・リバー
44.ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
45.アス
46.記憶にございません!
47. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウェスト
48.  ホテル・ムンバイ
49. ジョーカー
50. 真実
51. 見えない目撃者
52. メランコリック
53. 蜜蜂と遠雷
54. スペシャルアクターズ
55. IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。
56. レ・ミゼラブル
57. アナと雪の女王2
58. ひとよ
59. ブライトバーン 恐怖の拡散者
60. ドクター・スリープ
61.屍人荘の殺人
62.家族を想うとき
63. 旅のおわり世界のはじまり(忘れていて追加。実際は32の後)

以上の63本です。
去年より2本多いのですが、
一時よりペースは落ちていて、
観たいと思って観られなかった映画も多くあります。
ミニシアター系は殆ど無理でしたし、
松尾スズキさんの監督作なども、
是非観ようと思っていましたが、
瞬殺で終わってしまっていました。
夜のみの上映、という感じのものも無理でしたね。
印象としては割と地味で宣伝されるのは続編ばかり、
というような感じはありましたね。

良かった5本を洋画と邦画とに分けて、
エントリーしてみます。
2019年に公開された新作に限っています。

それではまず洋画編です。

①グリーンブック
https://rokushin.blog.ss-blog.jp/2019-03-16
今年観た中で、素直に良かったと思えた筆頭がこの作品です。
人種差別とそれを超える友情という、
手垢に塗れたテーマですが、
黒人が引きこもりで孤独なインテリの天才ピアニスト、
運転手兼用心棒が家族想いのイタリア移民の乱暴者、
という組み合わせにひねりがあり、
キャラクターの魅力とロードムービーの面白さで惹き付け、
ラストには素直に感動出来ました。
年間1本見るならこれ、と誰にでも勧められる良い映画です。

②運び屋
https://rokushin.blog.ss-blog.jp/2019-03-30
最近は小品の多かったイーストウッドですが、
これは久々に重量級の佳品で、
ひょんなことから犯罪に加担することになった孤独な老人を、
とても味わいのある演技でイーストウッド自身が演じます。
ラストは「ガントレッド」もどきのアクションもあり、
ハッピーエンドにほっとして、
暖かい気分になる気持ちの良い映画です。

③天才作家の妻 40年目の真実
https://rokushin.blog.ss-blog.jp/2019-02-02
これはそれほど話題になりませんでしたが、
熟年の夫婦の危機を繊細な台詞劇として描き、
そこに作家の秘密を絡めた重厚な作品で、
かつてのベルイマン作品を彷彿とさせる力作でした。
こういう正攻法の心理劇映画というのは、
最近珍しいですよね。
台本も練り上げられていて、
グレン・クローズの芝居も抜群でした。
ヨーロッパ映画の好きな方には一押しです。

④ファースト・マン
https://rokushin.blog.ss-blog.jp/2019-02-24
「ラ・ラ・ランド」の監督による、
前作とはまるで異なる、
息が詰まるような緊迫したドラマで、
アポロ計画の失敗から、
死すれすれの挑戦、
そして月着陸から帰還までの道程を、
その場に居合わせているような独特の映像表現で描いた作品です。
ちょっと「コンタクト」に似ています。
宇宙物というより、死を描いた作品で、
死と家族を切実に感じさせる静かな傑作です。
僕は好きです。

⑤アス
https://rokushin.blog.ss-blog.jp/2019-09-15
個人的にはこれは隠れ1位なんです。
新感覚ホラーのジャンルとしては文句なしの傑作で、
怖くて異常で斬新で、
観客をひと時別世界に誘ってくれます。
「地下で飼育されていた自分が襲って来る」
という衝撃的で今までにない恐怖。
映像技巧的にも洗練されていて随所に見せ場があり、
新時代のカルトとして金字塔的な作品です。
ジョーダン・ピール監督からは、
今後目が離せません。

それでは次は邦画の私的ベストです。

①蜜蜂と遠雷
https://rokushin.blog.ss-blog.jp/2019-10-20
今年一番良かったのがこの作品でした。
恩田陸さんのベストセラーを、
「愚行録」の俊英石川慶監督が、
洗練された映像表現で見事に映像化しています。
映像技巧的には天才的な石川監督の本領が発揮され、
大胆な省略により成立させた台本が見事な出来栄えです。
唯一の欠点は音楽が魅力に乏しいことでした。
キャストは皆好演で、松岡茉優さんの芝居は抜群でした。

②ひとよ
https://rokushin.blog.ss-blog.jp/2019-11-24
桑原裕子さんの戯曲を原作として、
犯罪により一旦バラバラとなった家族の再生の道程を、
白石和彌監督は時に外連味も交えて、
感動的な人間ドラマとして結実させました。
非常に出来にムラの大きな白石監督ですが、
この作品は文句のない当たりでした。
魅力的なキャストの中で、
やさぐれの佐々木蔵之介さんが光っていました。

③アルキメデスの大戦
https://rokushin.blog.ss-blog.jp/2019-08-03
山崎貴監督も多作でムラが大きいと思いますが、
この作品は山崎監督ならでは、という素材でしたし、
戦闘シーンを最初に終わらせるという荒業を含めて、
なかなか見応えのある力作に仕上がっていました。
原作も数学で戦争を抑止するという発想がユニークで、
菅田将暉さんと田中泯さんの対決が圧巻でした。
特に田中泯さんはこの映画で、
これまで最高の演技を画面に焼き付けました。

④記憶にございません!
https://rokushin.blog.ss-blog.jp/2019-09-29
これは三谷幸喜さんの映画最高作で、
殆ど成功事例のない政治を扱ったコメディのジャンルで、
三谷幸喜ここにあり、というところを示しました。
そのオチの爽やかな後味は、
他に類がありません。

⑤キングダム
https://rokushin.blog.ss-blog.jp/2019-05-18
漫画の実写化では抜群の才覚を見せる佐藤信介さんによる、
中国を舞台とした荒唐無稽な活劇の実写映画で、
勿論スケールではハリウッドや中国映画に敵いませんが、
昔のハリウッド大作を思わせるような語り口の明解さと、
人気者の活かし方やクライマックスへの盛り上げが上手く、
昔良くあった無国籍大作の系譜を継いだ、
なかなかの娯楽作に仕上げていました。
キャストではアマゾネスの長澤まさみさんが眼福でした。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良いお正月をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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