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「屍人荘の殺人」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

クリニックは明日まで年末年始の休診中です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
屍人荘の殺人.jpg
ミステリ―ファンに評価の高かった、
今村昌弘さんのデビュー作「屍人荘の殺人」が、
神木隆之介さん、浜辺美波さんなどの豪華キャストと、
ミステリ―ドラマの脚本では職人芸的な冴えを見せる、
蒔田光治さんの台本に、
師匠筋の堤幸彦監督よりはまとまりのある作品作りをする、
木村ひさしさんの演出で映画化され、
今ロードショー公開されています。

これは原作を先に読んでから映画を見ました。

これね、原作はあまり面白くなかったんですよね。

通常の本格ミステリーとある超自然現象とを、
ミックスしたところに原作の特徴があるのですが、
それはそれで良いとして、
どう考えても、チマチマした館の中の殺人より、
館の外の超常現象の方が興味が沸くでしょ。
でも、その超常現象は何も解決はされずに、
超常現象のままに終わってしまうんですよね。
それがどうも面白くないし、
肝心のミステリーが論理性はあっても、
あまり意外性がないでしょ、
犯人もあまり魅力的ではないし、
何より動機に全く工夫がないのが脱力してしまいます。
これで多少犯人絞り込みの論理が面白くても、
大して意味がないのじゃないかしら。

今回の映画版は、
若干のマイナーチェンジはあるものの、
ミステリーのトリックやロジックの部分については、
ほぼ原作通りに再現されています。

その意味では原作をリスペクトした映画です。

ただ、もともと荒唐無稽で出鱈目なお話が、
実際に絵にすることによって、
その欠点がよりクローズアップされて、
原作ではスルー出来た部分が、
看過出来なくなってしまった、
というきらいがありました・

これはまあ、
本格ミステリーを映像化するということの弊害ですね。

キャストでは中村倫也さんが、
年齢的にも無理がありましたし、
役柄的にも、
原作と比べれば出番が増えているとは言え、
ちょっと損で残念な感じでした。

浜辺美波さんは原作より二次元的なキャラを、
見事に演じて秀逸でした。

そんな訳で浜辺さんを見る以外には、
あまり見どころのない映画で残念でした。

これ映画化して本当に勝算があったのかしら?

関係者に素朴に問いかけたいような映画でした。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い年始をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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