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マスクがない!? [仕事のこと]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

雪になるかと心配したのですが、
幸い雨で終わったようです。

今日はちょっと困っているのでその話をします。

新型コロナウイルス感染症が大きな問題となっているのは、
皆さんもご存じの通りです。

保健所からの1月24日付の事務連絡によりますと、
発熱が37.5度以上で呼吸器症状(咳など)があり、
発症から2週間以内に武漢市内を訪問したか、
武漢市への渡航歴があって、発熱などの症状のある人と接触があれば、
インフルエンザなどの診断を行いつつ、
保健所に連絡をしなさい、
という文面になっています。
予防にはマスクの着用と書かれています。

そして、昨日も嘱託医をしている保育園から連絡があり、
中国の家族がいるお子さんが熱を出して咳をしているので、
武漢市との関連は分からないけれど、
これから受診をさせても良いですか、
とのことでした。

勿論「いいですよ」と言うよりないのですが、
そこで考えないといけないのは感染対策です。

通常のマスクは備蓄がありますが、
感染予防のためのN95マスクも、
一定数は常備した方が良いと考え、
取引をしている卸さんに連絡をしました。

マスクはありますか?とお尋ねすると、
「一切ありません!」という担当者の答えでした。
「N95マスクを入れたいのですが…」と言うと、
「高性能のマスクは全く在庫がない状態です」と言うので、
「予約していつぐらいに入荷しますか?」
と聞くと、
「全く見通しが立たないので予約は出来ません」というお答えです。

唖然としました。

「それは何故ですか?医療機関で買い占めているのですか?」
と聞きますと、
「いえ、中国人が全て買ってしまったのです」
というにわかに信じがたいような返事です。
(嘘のようですが実話です)

常識的に言って事実とは思えない話です。

ドラッグストアで中国の方が大量のマスクを買っている、
というニュースは確かに流れています。
それも何処まで事実であるのか保障の限りではありませんが、
医療用の卸さんは医療機関のみと取引をしている筈ですから、
中国の方が急に大量に発注して、
それで在庫が底をつく訳がありませんし、
そもそも取り引きをするにはまず契約を結ばないといけませんから、
急に中国の医療機関と大量に契約をして、
そこに全てのマスクを流してしまった、
というような話がある筈がありません。

冷静に考えればそういうことではなく、
報道などもあるのでマスクの発注が多くなり、
それで品薄になっているのだな、
という想定は付きます。

しかし、実際にマスクは必要ですし、
患者さんが来ればお断りも出来ませんし、
何とかして欲しいところです。

保健所の通達には「インフルエンザを否定しろ」
というニュアンスのことが書かれています。
これはインフルエンザの迅速検査をしろ、
という意味に取れるのですが、
皆さんもご存じの通り、
インフルエンザの検査は鼻の奥に綿棒を入れて行うので、
当然患者さんは咳込んだり痰を飛ばされたりされるので、
その直撃をこちらは受けることになります。
マスクは必須と思われますが、
それがないのです。

どうすればいいのでしょうか?

いつもそうなのですが、
2009年の「新型インフルエンザ」騒動の時には、
インフルエンザワクチンもなくなりましたし、
キットもなくなりました。
消毒もなくなりましたし手袋もなくなりました。
幸いあの時はマスクはありました。
ただ、あの時も卸さんに連絡すると、
「ありません。いつ入荷するかも分かりません」と言われるだけで、
説明もありませんし、
説明がある時には、
あきらかに間違いと分かるような、
うっかりすれば人権問題や国際問題になりそうな、
非現実的な説明です。

医療用品の流通というのは、
どうしていつもこのように不合理なのでしょうか?

こうした絶対必要な備品や感染対策の用具など、
何処かで一括管理して、
そこに注文をして供給されるような仕組みが、
何故取れないのでしょうか?

誰かマスクをください!

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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