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医師とスピード違反 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日からクリニックは通常の診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
医者とスピード違反.jpg
2019年のBritish Medical Journal誌に掲載された、
医者の専門科とスピード違反の頻度を比較した、
ちょっとユーモラスな論文です。

別に不真面目であったり、インチキである、
ということはないのですが、
British Medical Journal誌のクリスマス号には、
こうしたユーモラスな論文がまとめて掲載されるのが恒例です。

スピード違反というのは、
国内外を問わず最も多く、
最も一般的な自動車の交通違反で、
違反が見つかれば、
罰金を受けたり切符を切られたりすることも同じです。

ただ、制限速度を守ることが決まりだと、
分かってはいても、
時間がなければ飛ばしたくなるのは皆同じですし、
道によって細かく定められた制限速度も、
交通事情などを考えれば、
妥当だと思えない部分も多くあります。

それでは医師は職業的に、
スピード違反が多いでしょうか、
それとも少ないでしょうか?

一口に医者と言っても、
内科と外科ではかなり性質が違いそうです。

今回の研究はアメリカのフロリダにおいて、
スピード違反で切符を切られた、
5372名の医師と、
19639名の医師以外の職業の人とを、
比較検証しているものです。

その結果、
医師と医師でない人との間で、
特にスピード違反の程度には差はなく、
特段医師がスピード狂というような傾向は認められませんでした。
また、取り締まりに医師と医師以外で明確な差がある、
というような傾向も認められませんでした。

医師の専門科毎の比較では、
精神科の医師が最もスピード違反の頻度は高く、
また高級車を運転していて違反をする頻度が最も高かったのは、
循環器内科の医師でした。

精神科が一番スピード狂という結果は、
正直かなり意外な感じがしますが、
日本でも同様の研究が行われれば、
また別個の結果になるような気もします。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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