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宅間孝行「ぴえろ」(タクフェス第10弾) [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ぴえろ.jpg
才人の宅間孝行さんが主宰し、
作・演出を担当して多くの作品で主演を務める、
タクフェスの第10弾として、
東京セレソン時代のヒット作の1つ「ぴえろ」が、
リニューアルして再演されました。

宅間さんのお芝居は、
東京セレソンデラックスの後半の時期から観るようになって、
劇団が解散してタクフェスになってからは、
第5弾くらいまでは毎回通っていました。
その後は何となく遠ざかっていたのですが、
今回は久しぶりにサンシャイン劇場に足を運びました。

宅間さんのお芝居は、
その根っ子にはかなり、
重くシビアなもの、
暗い情念のようなものを秘めているのですが、
笑って泣ける人情喜劇的なものに拘っていて、
表面的には常にそうした仕上がりになっています。

大衆演劇の劇団スタイルのようなものを、
継承しているような雰囲気もあって、
地方公演が必ずありますし、
上演前の前説や物販やゲームやサイン会、
カーテンコールで観客と一緒に踊ったり、
お見送りをしたりのサービス、
何より最後に宅間さんが必ず観客に告げる、
「私達役者は皆さんがいるから芝居を続けることが出来ます」
という熱いメッセージが、
僕達の心に忘れがたい印象を残すのです。

今回の作品はセレソン時代に何度か上演され、
テレビの連続ドラマにもなったヒット作で、
下町のお寿司屋さんを舞台に
大将が急死した直後、
昔その店を去った職人に瓜二つの、
泥棒が店に忍び込むところから物語は始まります。

たまたま瓜二つの男が訪れる、
というところがちょっと無理筋な感じはするのですね。

大衆演劇ならありの設定なのですが、
もう少しリアルな人情ドラマのスタイルなので、
その設定だけが随分強引だな、
という気がするのです。

これは宅間さんの他のお芝居にも共通する特徴で、
大抵1つは無理か強引な設定があるのですが、
それが作品のスタイルに、
上手く溶け合っていないというきらいあります。

ただ、その点を除けば非常に巧みに組み上げられている台本で、
キャラも皆立っていて面白いですし、
宅間さんの演じる二役も魅力的です。

今回も宅間さんの笑いと涙と切なさの世界に、
2時間強たっぷりとひたることが出来ました。

正直、作品を包むウェルメイドな雰囲気には、
個人的に馴染めない部分があるので、
通い詰めるという感じではないのですが、
これからも時々は足を運びたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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