SSブログ

18 歳未満の新型コロナ感染の特徴とワクチンの効果(デンマークの疫学データ) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、
午後は産業医面談などで都内を廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
18未満の新型コロナの特徴.jpg
British Medical Journal誌に、
2022年4月11日ウェブ掲載された、
小児と思春期の新型コロナウイルス感染症の特徴についての論文です。

新型コロナウイルス感染症は、
成人と小児とではその症状に違いがあることが、
パンデミックの早期から指摘されていました。

小児は感染しても多くの場合症状は軽く、
無症状感染の比率も多いと報告されています。

ただ、一部で川崎病に似通った点のある、
全身の血管炎が発症することがあり、
心不全やショックを来すこともあります。
これは小児COVID-19関連多系統炎症性症候群と呼ばれています。

今回のデータはデンマークにおいて、
18歳未満の新型コロナウイルス感染症のRT-PCR検査を受けた、
991682名のデータを解析したもので、
そのうちの7.5%に当たる74611名が陽性となっています。
患者が入院となるリスクは0.49%(95%CI:0.44から0.54)、
集中治療室に入室するリスクは0.01%(95%CI:0.01から0.03)と低率でした。
診断されて2か月以内に小児COVID-19関連多系統炎症性症候群を発症するリスクは、
0.05%(95%CI:0.03から0.06)と算出されました。
感染確認後1から6か月後のクリニックの受診率は、
非感染者と比較して1.08倍高くなっていました。
12歳以上でファイザー・ビオンテック社の新型コロナワクチンを、
2回接種してから60日以上の有症状感染の有効率は、
93%(95%CI:92から94)と算出されました。

このように、
18歳未満の年齢層における新型コロナ感染は、
非常に軽症の事例が多く重症化は稀ですが、
成人には見られない小児COVID-19関連多系統炎症性症候群という病態が、
感染者の2200人に1人程度の比率で認められます。
またその後半年の医療機関受診率がやや高いことは、
持続的な症状が見られることを示唆しています。
ワクチンの有効性は2回目接種後には、
成人と同レベルで認められていました。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
nice!(5)  コメント(0)