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「リボルバー・リリー」(行定勲監督映画版) [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で午前中は石田医師が、
午後2時以降は石原が外来を担当する予定です。

土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
リボルバー・リリー.jpg
長浦京さんの同題のミステリー小説を映画化した、
綾瀬はるかさん主演の話題作が、
今ロードショー公開されています。

これは大正時代を舞台にして、
伝説の女殺し屋が帝国陸軍の陰謀から、
少年を守って戦うという荒唐無稽なお話で、
「グロリア」や「レオン」みたいな感じもありますし、
「るろうに剣心」の女主人公版を狙った、
というような感じもあります。

この映画は評判は散々で、
お客さんも入っていないようですが、
個人的な感想としては、
かなり頑張って作っているな、と思いましたし、
確かにアクションはかなりトホホの感じで、
どのような映画にしたいのかも、
絞り切れていない感じはありましたが、
日本の大作娯楽映画というジャンルとしては、
水準以上の仕上がりにはなっていたと思います。

鈴木清順監督みたいな馬鹿馬鹿しさがあるでしょ。
女殺し屋というジャンル物を、
徹底した様式美で撮ろう、という趣旨ですよね。
だから、拳銃をぶっ放すと敵だけがバタバタ倒れて、
敵の弾は一切当たらない、というのは、
それはそれでいいんですよね。
ただ、敵の弾なんて当たらなくていい筈なのに、
最後は主人公は血まみれになって、
それでいて全然死にそうではないので、
ちょっと、どうしたかったのか分からないな、
というような気はするのです。

ストーリーは決して悪くないんですよね。
見せ場の構成も悪くない感じだし。
最初に列車の活劇があって、
脱出すると草原でまた活劇、というのはいいですよね。
ラストは霧の中での撃ち合いから、
段々霧が晴れて集団戦に持ち込む、
というのも、行定監督らしい様式美だったと思います。

ただ、アクションがねえ…
最初の列車の場面から、
何かとても間抜けでセンスがないんですよね。
そこは「るろうに剣心」との致命的な違いですね。
それから悪役が弱いんですね。
そこも「るろうに剣心」との違いで、
もっとアクの強い、怪物みたいな敵が欲しかったですね。

キャストは皆好演と言って良いのですが、
綾瀬さんがね、何と言うのか、
こうしたどシリアスは、
ちょっと厳しい感じなんですね。
何処か真面目にやっていても、
それがかくし芸の演技、みたいな感じがあるのです。

総じて、美術にしても映像にしても、
相当頑張った映画なのですが、
監督がアクションに不慣れな感じが、
ちょっと致命的になってしまったかな、
という感じの映画でした。

でも、映画館ではガッカリですが、
ちょっとカルト的な雰囲気はあって、
配信で観直すと、
結構何度も見てしまうような、
そんな中毒性はある作品だと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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