SSブログ

「せかいのおきく」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で午前中は石田医師が、
午後2時以降は石原が外来を担当する予定です。

土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
せかいのおきく.jpg
阪本順治監督の新作映画で、
モノクロのパートカラー1時間半弱の小品ですが、
戦前の長屋もの人情ドラマを思わせるストーリーに、
色々と工夫の凝らされた愛すべき作品でした。

構成は昔の人情ドラマのパターンをしっかりと守っていて、
細かく章立てが成され、
そこに無声映画のような説明の字幕が付きます。
基本モノクロ映画なのですが、
章の終わりは一部のみカラーとなっています。
これも一時期は流行した手法ですね。

内容は黒木華さん演じるヒロインの、
途中で首を切られて声が出ない境遇になりながら、
希望を見出して生きてゆく姿を描きます。

ただ、この映画の最大の特徴は、
江戸時代のトイレ事情と、
汲み取りの仕事をメインに描いていることで、
色々な意味でスレスレの際どい素材ですが、
モノクロにすることでそのハードルをクリアしているのが、
なかなかクレヴァーだと思います。

正直低予算の小品映画なので、
単独の劇場公開作品としては、
やや物足りない感じはあるのですが、
坂本監督ならではの優しい目線に満ちた作品で、
どぎつく長尺の映画の多い昨今では、
一服の清涼剤のような趣がありました。
確かに昔の映画には、
こうした作品も多かったのです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
nice!(3)  コメント(0)