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「ザ・フラッシュ」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ザ・フラッシュ.jpg
DCコミックのヒーローで、
連続ドラマも製作されたフラッシュが、
今回映画版になって公開されています。

主人公が過去を良かれと思って改変してしまったところから、
予期せぬトラブルが次々と起きて、
並行世界を巻き込んで大混乱が起こるという物語で、
マーベルコミックでは最近はそればっかりという感じがありますが、
今回の作品はマーベルほど複雑怪奇な世界ではなくて、
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に近い、
シンプルでノスタルジックな雰囲気もある映画です。

主人公は高速で移動出来るヒーローなのですが、
気合を入れて走って光速を超えてしまい、
時間を移動出来るような能力を持ってしまうのですね。
彼は幼い頃に母親を殺されていて、
父親が妻殺しの罪で逮捕されてしまうのですが、
主人公は当然父は冤罪と思っていて、
その再審が行われています。
それで、主人公は過去に戻って、
母親の命を救おうとするのですが、
それにより並行世界が生まれてしまい、
そこに主人公は閉じ込められてしまいます。

その世界を救うためには、
母親を助けるという過去の改変を元に戻す必要があり、
母の命と世界のどちらを選ぶのかに苦悩する、
というのが主筋になり、
その結末も概ね納得がいくように仕組まれています。

この主筋の部分は、
作品中でも言及されている、
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に非常に近いのですね。
過去を少し変えることで、
よりベターな現在を得ようという、
ある意味かなりムシのいい話なのですが、
要するに過去を弄れば、
無限に並行世界は生まれてしまうけれど、
そのうち最もバランスの取れたものが、
おそらく「運命」であろう、という思想ですね。
その運命を受け入れるというところに、
物語の本質がある訳です。

ただ、この作品はそれだけではなくて、
主人公の母親が生きている世界では、
主人公自身はもっと自堕落なダメ人間になっていて、
その自分同士が交流するという脇筋がありますし、
何より主人公の師匠がバットマンで、
今の世界のバッドマンがベン・アフレック、
並行世界のバットマンはマイケル・キートンという仕掛けがあり、
並行世界では過去のスーパーマンまで登場して、
DCの映画の歴史が、
並行世界という言い訳の元に再集結するという、
ファン向けの趣向が用意されています。

この作品は主人公を演じたエズラ・ミラーの演技が、
説得力のあるもので、
そのキャラ設定も分かり易く出来ているので、
感情移入しやすくストレートに物語と対峙出来る、
という点が一番の特徴です。
ただ、基本は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」なので、
ヒーローが強大な悪と対決する、
というようなカタルシスとは無縁で、
ヒーロー映画では基本的にないのですね。
なので、ヒーロー映画を期待して鑑賞すると、
期待外れと感じるかも知れません。

アメコミの最近の映画の中では、
お話は予備知識がなくても補足可能ですし、
上映時間も134分と比較的手頃なので、
安心してお勧め出来る1本ではないかと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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