SSブログ

極私的感染症流行情報(2023年6月16日) [仕事のこと]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日なのでクリニックは休診です。

今日はクリニック周辺の感染症情報です。

2023年5月8日から、
新型コロナはインフルエンザと同じ5類感染症の扱いとなり、
全例報告などはなくなりました。

ただ、診療自体は基本的にはこれまでと同じで、
発熱者や感染症の疑いのある患者さんの場合には、
原則はまず電話で相談をしてもらって受診の時間を決め、
入口でトリアージをして、
2階の別診察スペースにご案内し、
検査を含め診療を行う形を継続しています。

発熱者で多いのは、
大人では圧倒的に新型コロナで、
子供はインフルエンザという傾向が、
この1か月くらいは続いています。

たとえば昨日(6月15日)に検査をした有症状の大人10名のうち、
6名は新型コロナで1名がインフルエンザA型、
残り3名が不明でした。

症状はここ数日のみの傾向で言うと、
まず寒気を伴って発熱し、
翌日には自然に解熱するのですが、
再びその夜には発熱、という感じの経過です。
これが数日から場合によって1週間程度持続し、
その途中から咳などが出て、
熱が出なくなると徐々に回復に向かう、
という流れが典型的です。

よく「新型コロナはこうした症状」というように、
断定的に言われる「専門家」の方もいるのですが、
実際に継続して患者さんを診ている印象としては、
かなり症状経過は変化を続けていて、
そのため「今で言えばこの症状」ということは言えても、
それがこの感染症の特徴、
というような言い方は出来ないのではないかと思います。

殆どの事例が軽症で、
受診時は平熱ということも多いのですが、
それでも検査をして陽性、
ということが多いのが現状です。

ただ、中に少数高熱がと倦怠感、関節痛などが強い事例が散見し、
そうした方では、効率に味覚嗅覚障害も併発していました。

今の流行の新型コロナは感染力が強いことが特徴で、
以前もご紹介したように、
先日関わっているグループホームで感染があったのですが、
体調不良の職員から始まった感染が、
瞬く間にフロアにいる殆どの入居者と職員に感染しました。
勿論入所者は6回のワクチン接種を済ませていました。

最初の感染者が確認された時点で、
勿論個別の隔離や感染対策は講じていましたから、
それでここまで広がるというのは、
その感染力は従来のものを遥かに超えていると思いますし、
パンデミック以降、これまで、
ここまでの集団感染の経験はありませんでした。
今流行しているウイルスに対して、
現行のワクチンの効果は極めて限定的にしか存在しないと、
そう考えておいた方が良さそうです。

幸い殆どが軽症なので、
何とか対応が出来ていますが、
これが新たな変異により、
より重症化しやすい株になったらと考えると、
慄然とするような気分になります。

学校行事などでの集団感染の事例も増えていますので、
感染対策にはくれぐれも留意して頂ければと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
nice!(0)  コメント(0)