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「ハロウィン KILLS」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は祝日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ホロウィンキル.jpg
1978年に製作され日本では1979年に公開された、
ジョン・カーペンター監督の出世作が、
40年の時を経て新作の続編として2018年に製作され、
その続編が今ロードショー公開されています。
どうやら3部作のようで、
正直あまりすっきりしたラストにはなっていません。

オリジナルは日本での封切りの時に観ています。
殺人鬼がずっとマスクを着けていて、
一言も喋らず、最後まで正体すら不明のままです。
ホラーですがショッカー演出のみで、
血が出るような描写もほぼ皆無という斬新な作品でしたが、
当時はもっとひねった筋立てが好きだったので、
正直物足りなく感じました。

その後すぐに続編の「ハロウィン2」が作られ、
「スターウォーズ帝国の逆襲」の影響か、
主人公と殺人鬼に血のつながりがある、
という設定が付加されました。
せっかく「不条理で意味不明の恐怖」という斬新さが、
それによって台無しになったのですが、
この映画はショッカー演出の技巧が冴えていて、
当時として脅かし演出の頂点を極めた、
といって過言ではないホラーでした。
その後「ハロウィン3」が作られましたが、
こちらは前2作の設定とは無関係で、
ハロウィンに起こる奇怪な事件、という趣向のみを引き継いだ、
当時としてはニューウェイブのホラー映画でした。
意味不明なところが多いのですが、
僕は割と気に入っています。
その後リメイク的な映画や他のホラーとのコラボなどがあり、
かなり時間をおいて2018年作に至ります。

2018年の「ハロウィン」は終身刑のオリジナルの殺人鬼が、
40年後のハロウィンの夜に再び脱走して…
というお話で正調の続編となっていて、
主役はオリジナルで殺人鬼と対決した、
ジェイミー・リー・カーティスです。

内容は結局はオリジナルとほぼほぼ同じ話なのですが、
ジェイミー・リー・カーティスの孫娘まで登場し、
3世代で殺人鬼と対決し、
ラストはトラップに嵌めて地下室で焼き殺すのですが、
今回の続編では消防士に救助されてまた復活し、
昔と同じ田舎町を恐怖に陥れます。

今回はホラーというより、
アメリカの暴力の連鎖を批判するような、
アジテーションドラマに近い内容で、
殺人鬼の恐怖に怯える住民が、
集団ヒステリーとなって関係のない脱獄囚の男を死に至らしめ、
ラストは殺人鬼をなぶり殺しにするものの、
不死身の殺人鬼に皆殺しにされてしまう、
という酷い話です。

最後にお説教が付いていて、
「悪は暴力では殺せない」という意味合いのことが語られます。

要するに殺人鬼をテロリストになぞらえて、
テロがあったからと言って、
その報復で暴力を行使しても、
それはテロを滅ぼす結果にはならない、
という主張であるようです。

それは勿論そうかも知れませんが、
ホラー映画のテーマとしては、
それはあまりに筋違いの主張であるように思えます。

ホラーとしては脱力系のガッカリです。

ただ、これは3部作の2作目ということのようなので、
果たして人道主義的なテーマと、
破滅残虐嗜好のホラーの世界を、
どのように一致させて結末にもってゆくのか、
そんなことはほぼ不可能で、
おバカな結末になるしか思えない気もするのですが、
あまり期待はせずに次作を待ちたいと思います。

単独の作品として鑑賞することは、
あまりお勧め出来ません。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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