SSブログ

5から11歳の小児へのファイザー社新型コロナワクチンの有効性 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日で診療は午前中で終わり、
午後は産業医面談やインフルエンザワクチン接種で、
都内を廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
新型コロナワクチンの小児への効果.jpg
the New England Journal of Medicine誌に、
2021年11月9日掲載された、
12歳未満の年齢への、
ファイザー・ビオンテック社新型コロナウイルスワクチンの、
有効性と安全性についての論文です。

ファイザー・ビオンテック社の新型コロナウイルスワクチンが、
現行その使用が認められている、
12歳以上の年齢層において、
短期的には高い有効性と安全性とが確認されていることは、
実地臨床において確認されている事実です。

そこで現状問題となっているのが、
12歳未満の年齢におけるワクチンの使用法と、
その有効性及び安全性です。

今回の臨床試験においては、
まず第1相臨床試験として、
48名の5から11歳の小児を16名ずつの3つの群に分け、
通常の使用量である30μgの抗原量のワクチンと、
それより少ない10μgと20μgという少量を投与して、
その免疫原性と抗体産生反応に、
大きな差はないことを確認、
発熱などの副反応は30μgで有意に多かったことより、
通常量の3分の1である10μgを、
5から11歳の適正量として選択しています。

次に第2、3相の臨床試験として、
5から11歳の2268名をくじ引きで2つの群に分けると、
一方は10μgの抗原を含むワクチンを2回接種し、
もう一方は偽ワクチンを接種して、
その効果と安全性を比較検証しています。
その結果2回目接種後1ヶ月後の抗体上昇は、
16から25歳に通常量のワクチンを接種した場合と、
明確な差は認められませんでした。
重篤な有害事象はワクチン群で確認されませんでした。
ワクチン2回目接種後7日以降における、
有症状新型コロナウイルス感染症の予防効果は、
90.7%(95%CI:67.7から98.3)と算出されました。

こうした臨床試験の結果から、
アメリカなどで5から11歳への、
3分の1量でのワクチン接種が承認され、
日本でも承認の方向となっているのです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
nice!(4)  コメント(0)