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「ハクソー・リッジ」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ハクソー/リッジ.jpg
メル・ギブソン監督による、
太平洋戦争で武器を手に取らなかった兵士を描いた戦争映画、
「ハクソー・リッジ」を観て来ました。

これは大変面白い映画で、
こうした素材を真正面から取り上げるのが、
さすがメル・ギブソンという感じがありました。
ただ、後半の戦場が沖縄戦ですから、
かなりヘビーで辛い鑑賞になります。
色々と配慮はされているのですが、
モグラのような地底人のようなゾンビのような怪物との闘い、
という感じにはどうしてもなってしまって、
観ていて哀れな「ゾンビ」の側の気持ちも考えてしまいますから、
とても辛くなるのです。
一般人の被害については全く触れられず、
兵士の軍団同士の格闘、
と言う感じに描かれているのも、
何か複雑な気分になります。
ですから、日本でヒットをしないのは、
仕方がないかな、という気はします。

映画は前半がアメリカ国内の、
主に基地での訓練の話になり、
後半が沖縄に移っての戦闘シーンになります。
個人的には上記の事情もあって、
主に前半の展開と描写に引き込まれました。

主人公のアーノルド・ガーフィールド演じる若者は、
第一次大戦に従軍して心の傷を受けたアル中の父親の暴力を受け、
そこから決して武器を手には取らない、
人殺しはしない、
という神からの教えを心に刻みます。
しかし、「悪辣なジャップ」の真珠湾攻撃にはショックを受け、
アメリカの正義のために闘いたいとは思い、
志願して兵役に入るのです。

それで基地での訓練が始まるのですが、
武器を持たない肉体訓練については、
全てを優秀な成績で突破します。
ただのチキンではなく、
実際には兵士として抜群の能力を持っているのです。
しかし、実際に武器を取れと言われて、
銃を手にして訓練になると、
「それは神の教えで出来ません」
と言って決してやろうとしません。

「じゃなんで志願なんかしたの?一般の立場で戦争に協力すればいいじゃん」
と当然言われるのですが、
「いや、1人くらい戦場に人を殺さない兵隊がいてもいいじゃないか」
と言って譲りません。
「それじゃ、ジャップが攻めてきたらどうやって身を守るんだよ。
そういう時には正当防衛だから例外にすればいいじゃないか?」
と理詰めで言われても、
「そういう難しいことは分かりません。でも人を殺すのは嫌です」
とすましているのです。

ちょっと面白いですよね。
たとえば日本映画でも「戦争と人間」で、
共産党員の兵士の山本学が、
戦場で中国人の住民を殺せと言われて、
「私は中国人は殺せない」と言って、
上官にボコボコにされたりする場面がありましたが、
もっと悲壮感がありましたよね。
後、変に理屈っぽい感じがありますよね。
「ハクソー・リッジ」はそういう感じはまるでないのです。
難しいことを言われても分からないけど、
ともかく銃は絶対手に取りません、
とそれだけは頑固で、
それ以外は何か軽い感じでへらへらしているのです。

それが意地悪な上官もいて、
命令違反なので軍法会議に掛けられるという話になります。
理屈から言えば上官の言うことの方が正しいので、
どうしようもないのです。
そして絶対絶命の時に、
主人公を救ったものは何だったのでしょうか?

如何にもアメリカ映画的な展開でワクワクしますし、
その決着はとても感動的です。
メル・ギブソンさすがですね。

そんな訳でつらい映画でもありますが、
とても面白い映画でもあります。
観て損はない作品としてお勧めです。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。