少年王者舘「1001」 [演劇]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は土曜日で午前午後とも代診となります。
受診予定の方はご注意下さい。
土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
天野天街さんの映像で舞台を塗りつぶしたり、
巨大な文字が登場したりする演出と、
夕沈さんを中心とする独特の群舞が特徴的な、
名古屋の人気劇団少年王者舘が、
初めて新国立劇場のレパートリーとして、
小劇場で公演を行いました。
僕自身はそれほどコアなファンではなく、
時々足を運ぶという感じですが、
天野さんが天才的なクリエーターであることは間違いがありません。
ただ、天才肌故かかなり作品の出来にはムラがあり、
素晴らしいなあ、と思う舞台がある反面、
なんじゃこりゃ、ちゃんと練習したの?
と問い掛けたくなるような舞台も何度か観ています。
今回は雰囲気はあってもストーリーはなく、
断片的なイメージと、
ややアジテーション的なものが、
執拗に繰り返されて展開し、
途中で主人公が「世界が終わってしまえ」みたいなことを言うと、
舞台セットが取り払われて、
そこでいつもの群舞をかなり長く踊って、
それで終了となるお芝居です。
架空の世界のお話しのような解説になっていますが、
雰囲気は戦中戦後の日本という感じで、
途中で終戦の日のお言葉が流れると、
日の丸の中央を切り取った旗を振り、
中央に昭和天皇の映像が流れたリします。
「令和」を茶化したりするような言葉遊びもあって、
基本的に天皇制に批判的であるということは分かります。
ただ、それが何となくそんな風に感じさせる、
というようなモヤモヤした表現になっていて、
何かをはっきり言うということはありません。
それで観ているこちらも、
何となくイライラします。
言いたいことがあるなら、もっとはっきり言えばいいのに。
こういう何か腰の引けたような表現が、
僕は嫌いです。
総じてこの集団のこれまでの創作にもありがちなことですが、
内容があまり煮詰まっていなかったのかな、
というように感じました。
舞台もね、いつもより大仕掛けにはなっているのですが、
セットの作り込みもスカスカで、
あまり密度の濃い感じになっていません。
昔の佐藤信のお芝居のようでもあるし、
維新派みたいなところもあるし、
寺山修司を彷彿とさせるところもあるのですが、
どの方向にも突き詰めていないというか、
中途半端な感じがぬぐえません。
それでストーリーもなく2時間15分の上演時間というのは、
如何にも長過ぎるように感じました。
今回はちょっと失敗の部類ですね。
でも少年王者舘がムラッ気なのは、
もう良く分かっていることなので、
今回は失敗でしたが、次は抜群ということもありますし、
次回に期待をしたいと思います。
矢張り、新国立にはちょっと合わなかったようですね。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は土曜日で午前午後とも代診となります。
受診予定の方はご注意下さい。
土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
天野天街さんの映像で舞台を塗りつぶしたり、
巨大な文字が登場したりする演出と、
夕沈さんを中心とする独特の群舞が特徴的な、
名古屋の人気劇団少年王者舘が、
初めて新国立劇場のレパートリーとして、
小劇場で公演を行いました。
僕自身はそれほどコアなファンではなく、
時々足を運ぶという感じですが、
天野さんが天才的なクリエーターであることは間違いがありません。
ただ、天才肌故かかなり作品の出来にはムラがあり、
素晴らしいなあ、と思う舞台がある反面、
なんじゃこりゃ、ちゃんと練習したの?
と問い掛けたくなるような舞台も何度か観ています。
今回は雰囲気はあってもストーリーはなく、
断片的なイメージと、
ややアジテーション的なものが、
執拗に繰り返されて展開し、
途中で主人公が「世界が終わってしまえ」みたいなことを言うと、
舞台セットが取り払われて、
そこでいつもの群舞をかなり長く踊って、
それで終了となるお芝居です。
架空の世界のお話しのような解説になっていますが、
雰囲気は戦中戦後の日本という感じで、
途中で終戦の日のお言葉が流れると、
日の丸の中央を切り取った旗を振り、
中央に昭和天皇の映像が流れたリします。
「令和」を茶化したりするような言葉遊びもあって、
基本的に天皇制に批判的であるということは分かります。
ただ、それが何となくそんな風に感じさせる、
というようなモヤモヤした表現になっていて、
何かをはっきり言うということはありません。
それで観ているこちらも、
何となくイライラします。
言いたいことがあるなら、もっとはっきり言えばいいのに。
こういう何か腰の引けたような表現が、
僕は嫌いです。
総じてこの集団のこれまでの創作にもありがちなことですが、
内容があまり煮詰まっていなかったのかな、
というように感じました。
舞台もね、いつもより大仕掛けにはなっているのですが、
セットの作り込みもスカスカで、
あまり密度の濃い感じになっていません。
昔の佐藤信のお芝居のようでもあるし、
維新派みたいなところもあるし、
寺山修司を彷彿とさせるところもあるのですが、
どの方向にも突き詰めていないというか、
中途半端な感じがぬぐえません。
それでストーリーもなく2時間15分の上演時間というのは、
如何にも長過ぎるように感じました。
今回はちょっと失敗の部類ですね。
でも少年王者舘がムラッ気なのは、
もう良く分かっていることなので、
今回は失敗でしたが、次は抜群ということもありますし、
次回に期待をしたいと思います。
矢張り、新国立にはちょっと合わなかったようですね。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。