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「未来のミライ」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
未来のミライ.jpg
細田守監督の最新作が今ロードショー公開されています。

こうした映画は行ければ初日に行くのが好きなので、
初日に行ったのですが、
新宿の広い映画館が閑散としていて、
観客の平均年齢もアニメ映画としては異様に高く、
おじさんやおばさん、おじいさんが10人くらいいるだけです。

たとえば「君の名は」は初日で満員でしたから、
これは何かがおかしい、
という感じが見る前からしました。

始まってみると、
映像はとても美しかったのですが、
生活に余裕のある裕福な家庭の、
凝った造りの一軒家が舞台となるので、
その時点で、
「今時この作り手は何がしたいのかしら」
と、とても違和感がありました。

2から3歳くらいと想定される動きと外見の男の子が、
とても広いリビングで、
プラレールの大きなジオラマで、
贅沢に遊んでいます。
その声が第一声から、
大人の女性のようにしか聞こえない違和感のあるものなので、
これもまた異様で困ってしまいます。
その子の喋る内容や心理は、
とても2、3歳のものではなく、
小学校低学年くらいの感じなので、
そのアンバランスもとてもとても違和感があります。

勿論これは架空の子供で、
現実の子供ではないのだ、
と自分に言い聞かせはするのですが、
如何にアニメと言えども、
ここまで違和感と不自然さのある子供の表現は、
これまであまり見たことがありません。

これは作り手が知識も経験もないからなのか、
それとも意図的にこうしたことをしているのか、
結局映画の最後まで分かりませんでした。

内容はこの何の生活の苦労もなさそうな一家の、
子育ての風景がひたすら淡々と描かれるだけで、
確かに主人公の男の子が中庭に出ると、
色々な過去や未来が現れて、
自分の成長した妹や、
自分の母親の女の子時代、
自分のひい祖父の青年時代などと交流したり、
擬人化された犬と喋ったりするのですが、
それはあくまで単発的なイメージに留まって、
その世界で主人公が冒険するとか成長するとか、
あまりそうした展開にはなりません。

要するに分断されたイメージの羅列であって、
それを繋いで物語りを高揚に導く、
ドラマツルギーが皆無なので、
面白いという感情を持つことが出来ないのです。

回りくどい言い方をしました。

要するに詰まらなかったのです。

映像的にも後半未来の描写になると、
フルCGの表現がピクサーみたいで、
しかも数段稚拙なものなので恥ずかしい気分になります。
あの変な遺失物ロボットは何の冗談ですか?
頭が痛い気分になります。

勿論何らかの意図と情熱とがあって、
こうした作品が生まれたのだと思いますが、
今年見て最も後悔した映画であることは間違いがなく、
なるほど多くの気の利いた方は、
既に前評判を見ているので劇場には足を運ばず、
初日の客席は情弱な高齢者のみであったのだなと、
改めて理解することになったのです。

勿論これは僕の個人的な感想ですので、
この作品に感動された方は、
色々な感想や感じ方があるということで、
ご容赦頂ければ幸いです。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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