「女と男の観覧車」 [映画]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は祝日でクリニックは休診です。
休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
大好きなウディ・アレンの新作が、
今ロードショー公開されています。
いつもそれほど長い上映にはならないので、
少し慌てて劇場に足を運びました。
アレンの作品が毎年公開されるのは嬉しい限りですが、
その出来には結構ばらつきがあります。
昨年の「カフェ・ソサエティ」はかつてのアレン節全開の、
ハリウッドでギャングが活躍する楽しい話でしたが、
今回はそうした華やかさとは無縁の、
往年のフランス映画を思わせるような重悲劇で、
全編救いの欠片もないような、
冷徹な生活のドラマが展開されます。
シモーヌ・シニョレか、
「欲望という名の電車」のブランチか、
というような退廃を漂わせた、
元売れない女優の主人公をケイト・ウィンスレットが演じ、
アル中の情の深いろくでなしと結婚していながら、
義理の娘と軽薄な脚本家志望の大学生を、
不倫で取り合うという絶望的な役柄を演じます。
物語自体は救いのないままに進みますが、
狂言回しの軽薄な大学生が、
正面を時々向いて観客に話しかけるという、
アレンらしい趣向と、
主人公の義理の娘の純情な美しさがガス抜きとなり、
映画を象徴する観覧車を中心とした、
コニーアイランドの浜辺の美しいパノラマが、
その見事な映像美で画面を飾ります。
昔だったら救いがなさ過ぎて、
とても受け付けないタイプの映画でしたが、
人生の悲劇性に滑稽さとある種の味わいとを感じるようになると、
意外にこうした話も悪くないなと、
そんなようにも思えます。
アレンにしてなし得た侘び寂びの境地と言うか、
キャストも決してやり過ぎない、
過不足のない熱演で見応えがありました。
誰にでもお勧め出来る映画ではありませんが、
アレン節がお好きな方には、
彼の新たな側面をまた感じさせる、
怜悧で美しく素敵な作品でした。
ご興味のある方は是非。
ケイト・ウィンスレットも良かったですよ。
それでは今日はこのくらいで。
皆さんも良い休日をお過ごし下さい。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は祝日でクリニックは休診です。
休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
大好きなウディ・アレンの新作が、
今ロードショー公開されています。
いつもそれほど長い上映にはならないので、
少し慌てて劇場に足を運びました。
アレンの作品が毎年公開されるのは嬉しい限りですが、
その出来には結構ばらつきがあります。
昨年の「カフェ・ソサエティ」はかつてのアレン節全開の、
ハリウッドでギャングが活躍する楽しい話でしたが、
今回はそうした華やかさとは無縁の、
往年のフランス映画を思わせるような重悲劇で、
全編救いの欠片もないような、
冷徹な生活のドラマが展開されます。
シモーヌ・シニョレか、
「欲望という名の電車」のブランチか、
というような退廃を漂わせた、
元売れない女優の主人公をケイト・ウィンスレットが演じ、
アル中の情の深いろくでなしと結婚していながら、
義理の娘と軽薄な脚本家志望の大学生を、
不倫で取り合うという絶望的な役柄を演じます。
物語自体は救いのないままに進みますが、
狂言回しの軽薄な大学生が、
正面を時々向いて観客に話しかけるという、
アレンらしい趣向と、
主人公の義理の娘の純情な美しさがガス抜きとなり、
映画を象徴する観覧車を中心とした、
コニーアイランドの浜辺の美しいパノラマが、
その見事な映像美で画面を飾ります。
昔だったら救いがなさ過ぎて、
とても受け付けないタイプの映画でしたが、
人生の悲劇性に滑稽さとある種の味わいとを感じるようになると、
意外にこうした話も悪くないなと、
そんなようにも思えます。
アレンにしてなし得た侘び寂びの境地と言うか、
キャストも決してやり過ぎない、
過不足のない熱演で見応えがありました。
誰にでもお勧め出来る映画ではありませんが、
アレン節がお好きな方には、
彼の新たな側面をまた感じさせる、
怜悧で美しく素敵な作品でした。
ご興味のある方は是非。
ケイト・ウィンスレットも良かったですよ。
それでは今日はこのくらいで。
皆さんも良い休日をお過ごし下さい。
石原がお送りしました。