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「search #サーチ2」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は連休でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
サーチ2.jpg
これは殆どの場面が、
パソコンやスマホの画面のみで展開される、
というアイデア重視の映画ですが、
内容自体もなかなか凝っていて、
優れたサスペンス・ミステリー映画となっている点に感心しました。

2018年に公開された「サーチ」の姉妹編で、
失踪事件の真相をPC画面のみで物語る、
という構造自体は2作とも同じですが、
内容は完全に独立していて関連はありません。

以下、明確なネタバレはありませんが、
この作品は前作も含めて意外性が命なので、
是非鑑賞後にお読みください。
特にミステリー好きには必見です。
(前作「サーチ」の内容にも少し触れているので、
その点ご注意下さい)

少女の母親が恋人とバカンスに行って失踪し、
それをネットやSNSの情報を駆使して少女が探します。
それをほぼほぼ検索の画面だけをスクリーンに映して、
映画として成立させているのですが、
色々な映像素材を多角的に取り込むことによって、
自然と観客は内容に引き込まれ、
主人公と一緒に人生というゲームに参加している、
という気分になるのです。
決してアイデア倒れにはなっていない、
クレヴァーな画面構成にまず感心しました。

何よりリアルなのは、
グーグルやインスタグラムなどが、
全て現実そのままに登場することで、
日本でも同工異曲のドラマはありますが、
許可を取っていないので架空のアプリなどが使用され、
それだけで詰まらなくなってしまいます。
その点この作品は全て許可を取り、
そのリアルさに一気に物語世界に引き込まれるのです。

母親探しのミステリーも、
なかなか考え抜かれて作り込まれています。
古典的なミステリーのトリックを幾つか、
換骨奪胎して活用しているのですが、
その驚きの演出もなかなか鮮やかです。
これは前作も同じですが、
前作が割と古典的な「意外な犯人」を活用しているので、
今回は同じ手を使うことは出来ず、
相当考えたのだろうなあ、と推測します。
また設定として今の社会の問題を取り込んでいて、
その使い方とミステリーの謎との絡ませ方も見事です。

前作も今作も主人公は有色人種で、
結果として有色人種のキャラはほぼ善人で、
悪党はほぼ白人種というところが、
如何にも今の映画という感じです。
昔ヒッチコックの映画は、
ブロンドは善人で黒髪は悪党で、
それはそれで差別的であったのかも知れませんが、
今はそれを逆張りしていて、
それが本当に公正なのかしらと、
疑問に思いますし、
結果として物語の意外性を犠牲にしている、
という気もします。
でも、潜在意識までが糾弾されるのが今の世の中ですから、
防衛的には仕方のないことなのかもしれません。

いずれにしても、
今の映画としては最も優れたミステリー映画の1本で、
色々な意味で今を代表する映画の1本でもあると思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い連休をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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