へアトリートメントの薬剤による急性腎障害の事例 [医療のトピック]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
the New England Journal of Medicine誌に、
2024年3月21日付で掲載された、
ヘアトリートメントに使用する薬剤による、
急性腎障害の事例についての報告です。
事例は26歳のチュニジア人の女性ですが、
ヘアサロンで酸熱トリートメントと言われている、
グリオキシル酸という成分を含むトリートメント剤を使用した、
くせ毛矯正の施術を行ったところ、
時期の違う3回の施術のいずれにおいても、
その後に嘔吐や下痢、発熱、背部痛などの症状が起こり、
腎機能の指標である血液のクレアチニンの数値が、
正常範囲から1.5から2.0mg/dLまで急上昇し、
その後速やかに正常に復しました。
このことは、トリートメント剤に含まれる何らかの成分が、
髪や皮膚から吸収されて、
急性の腎障害を引き起こした可能性を示唆しています。
それを検証する目的でネズミの皮膚にトリートメント剤を塗り、
その後の経過を検証したところ、
塗布後28時間で血液中のクレアチニンは上昇し、
3DCTの画像において、
シュウ酸カルシウムの著明な沈着が、
腎臓全体に認められました。
つまり、皮膚から吸収されたグリオキシル酸が、
肝臓で代謝されてシュウ酸カルシウムとなり、
腎臓に沈着して急性の腎障害を来したことが、
動物実験でほぼ実証されたのです。
髪のトリートメント剤は、
髪をコーティングするのみの働きで、
全身的な影響は与えないと考えがちですが、
実際にはその成分の一部は髪や頭皮から吸収され、
急性の腎障害を来すリスクが存在しているようです。
上記レターの著者は、
トリートメント目的のグリオキシル酸は使用するべきではない、
と警鐘を鳴らしており、
今後の早急な対応に注視したいと思います。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
the New England Journal of Medicine誌に、
2024年3月21日付で掲載された、
ヘアトリートメントに使用する薬剤による、
急性腎障害の事例についての報告です。
事例は26歳のチュニジア人の女性ですが、
ヘアサロンで酸熱トリートメントと言われている、
グリオキシル酸という成分を含むトリートメント剤を使用した、
くせ毛矯正の施術を行ったところ、
時期の違う3回の施術のいずれにおいても、
その後に嘔吐や下痢、発熱、背部痛などの症状が起こり、
腎機能の指標である血液のクレアチニンの数値が、
正常範囲から1.5から2.0mg/dLまで急上昇し、
その後速やかに正常に復しました。
このことは、トリートメント剤に含まれる何らかの成分が、
髪や皮膚から吸収されて、
急性の腎障害を引き起こした可能性を示唆しています。
それを検証する目的でネズミの皮膚にトリートメント剤を塗り、
その後の経過を検証したところ、
塗布後28時間で血液中のクレアチニンは上昇し、
3DCTの画像において、
シュウ酸カルシウムの著明な沈着が、
腎臓全体に認められました。
つまり、皮膚から吸収されたグリオキシル酸が、
肝臓で代謝されてシュウ酸カルシウムとなり、
腎臓に沈着して急性の腎障害を来したことが、
動物実験でほぼ実証されたのです。
髪のトリートメント剤は、
髪をコーティングするのみの働きで、
全身的な影響は与えないと考えがちですが、
実際にはその成分の一部は髪や頭皮から吸収され、
急性の腎障害を来すリスクが存在しているようです。
上記レターの著者は、
トリートメント目的のグリオキシル酸は使用するべきではない、
と警鐘を鳴らしており、
今後の早急な対応に注視したいと思います。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
2024-04-01 06:18
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