アンドレア・ロスト リサイタル [コロラトゥーラ]
こんにちは。
六号通り診療所の石原です。
今日は日曜日で診療所は休診です。
朝からいつものように、
駒沢公園まで走りに行って、
それから今PCに向かっています。
休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
先日フリットリと同じ時期に、
ハンガリー出身ののソプラノ、
アンドレア・ロストのリサイタルがありました。
ロストは現役のソプラノの中でも、
屈指の美形であることは間違いがなく、
その儚げな演技とも相俟って、
当代のソプラノの、
1つの理想的な姿を見せてくれます。
ファンの方からご提供して頂いた写真がこちら。
奇麗な人ですよね。
オペラの舞台でも、
一時期は結構頻繁に来日してくれました。
彼女を抜擢したムーティがタクトを取った、
スカラ座の来日公演の2回の舞台は、
いずれも素晴らしい出来でした。
演目はヴェルディの「リゴレット」のジルダと、
「オテロ」のデスデーモナですが、
いずれも男に苛まれて、
命を落とす儚い役回りで、
ムーティのちょっと息が詰まるような、
禁欲的な作品作りの中で、
ひたすら誠実かつ繊細に、
演じ歌うロストの姿は素敵でした。
「椿姫」は日本で何度か歌っていて、
ヨーロッパの地方歌劇場のものと、
新国立劇場のものは聴きましたが、
前に出るタイプではないので、
どうしても印象は弱い感じになります。
「道を外した女で何が悪いの」
というような開き直りが、
彼女には感じられないからです。
2009年に久しぶりの来日があり、
オケをバックのリサイタルだったのですが、
この時の歌唱は非常に素晴らしくて、
ロストの藝術の幅を改めて感じられた、
非常に高レベルのリサイタルでした。
コロラトゥーラの技巧も、
もっと技巧をこれでもかと、
誇示するタイプの歌手もいるのですが、
控え目ながら充分水準を超えた、
何より品格のあるものでしたし、
歌に情感がこもっていて、
それでいて歌自体のフォルムに乱れがありません。
ベルカントも良かったし、
オペレッタのくだけた歌が、
また結構けれんみがあって良いのです。
2011年の4月にリサイタルの予定があり、
楽しみにしていたのですが、
震災の影響で流れ、
その代替公演が1年後の今回となりました。
今回はピアノ伴奏で、
前半がモーツァルトから始まって、
ドニゼッティとヴェルディ。
後半が母国のハンガリー歌曲から、
プッチーニのアリアになります。
今回は後半のプッチーニが非常に良く、
「私はミミ」の辺りはグッと来ました。
ロストのミミは僕のCDでの愛聴版です。
ただ、前半の特にコロラトゥーラのパートは、
大ベテランのような、
割と流した歌い方になっていて、
2009年の端正な歌を期待していたので、
ちょっと残念には感じました。
年末年始のハードスケジュールの疲れもあったのか、
「椿姫」の「花から花へ」は、
かなりカットしていたにも関わらず、
失速ギリギリの際どい感じがありました。
レパートリー的には、
彼女は装飾歌唱からは、
離れてゆくのかも知れません。
次回は矢張りオケ伴奏のリサイタルが良いな、
と思います。
オペラの舞台も期待はしたいのですが、
ロストの良さを引き出してくれる、
指揮や相手役と組まないと、
消化不良の出来に終わるような気がします。
今日は僕の好きな歌手の話でした。
それでは今日はこのくらいで。
皆さんも良い休日をお過ごし下さい。
石原がお送りしました。
六号通り診療所の石原です。
今日は日曜日で診療所は休診です。
朝からいつものように、
駒沢公園まで走りに行って、
それから今PCに向かっています。
休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
先日フリットリと同じ時期に、
ハンガリー出身ののソプラノ、
アンドレア・ロストのリサイタルがありました。
ロストは現役のソプラノの中でも、
屈指の美形であることは間違いがなく、
その儚げな演技とも相俟って、
当代のソプラノの、
1つの理想的な姿を見せてくれます。
ファンの方からご提供して頂いた写真がこちら。
奇麗な人ですよね。
オペラの舞台でも、
一時期は結構頻繁に来日してくれました。
彼女を抜擢したムーティがタクトを取った、
スカラ座の来日公演の2回の舞台は、
いずれも素晴らしい出来でした。
演目はヴェルディの「リゴレット」のジルダと、
「オテロ」のデスデーモナですが、
いずれも男に苛まれて、
命を落とす儚い役回りで、
ムーティのちょっと息が詰まるような、
禁欲的な作品作りの中で、
ひたすら誠実かつ繊細に、
演じ歌うロストの姿は素敵でした。
「椿姫」は日本で何度か歌っていて、
ヨーロッパの地方歌劇場のものと、
新国立劇場のものは聴きましたが、
前に出るタイプではないので、
どうしても印象は弱い感じになります。
「道を外した女で何が悪いの」
というような開き直りが、
彼女には感じられないからです。
2009年に久しぶりの来日があり、
オケをバックのリサイタルだったのですが、
この時の歌唱は非常に素晴らしくて、
ロストの藝術の幅を改めて感じられた、
非常に高レベルのリサイタルでした。
コロラトゥーラの技巧も、
もっと技巧をこれでもかと、
誇示するタイプの歌手もいるのですが、
控え目ながら充分水準を超えた、
何より品格のあるものでしたし、
歌に情感がこもっていて、
それでいて歌自体のフォルムに乱れがありません。
ベルカントも良かったし、
オペレッタのくだけた歌が、
また結構けれんみがあって良いのです。
2011年の4月にリサイタルの予定があり、
楽しみにしていたのですが、
震災の影響で流れ、
その代替公演が1年後の今回となりました。
今回はピアノ伴奏で、
前半がモーツァルトから始まって、
ドニゼッティとヴェルディ。
後半が母国のハンガリー歌曲から、
プッチーニのアリアになります。
今回は後半のプッチーニが非常に良く、
「私はミミ」の辺りはグッと来ました。
ロストのミミは僕のCDでの愛聴版です。
ただ、前半の特にコロラトゥーラのパートは、
大ベテランのような、
割と流した歌い方になっていて、
2009年の端正な歌を期待していたので、
ちょっと残念には感じました。
年末年始のハードスケジュールの疲れもあったのか、
「椿姫」の「花から花へ」は、
かなりカットしていたにも関わらず、
失速ギリギリの際どい感じがありました。
レパートリー的には、
彼女は装飾歌唱からは、
離れてゆくのかも知れません。
次回は矢張りオケ伴奏のリサイタルが良いな、
と思います。
オペラの舞台も期待はしたいのですが、
ロストの良さを引き出してくれる、
指揮や相手役と組まないと、
消化不良の出来に終わるような気がします。
今日は僕の好きな歌手の話でした。
それでは今日はこのくらいで。
皆さんも良い休日をお過ごし下さい。
石原がお送りしました。
2012-02-05 11:10
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コメント(2)
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gooにブログ(アンドレア・ロスト専用)を作ってみました。
装飾歌唱とはうまい訳ですね。
装飾歌唱を学んでいるお嬢さんと、いつか共演したいと言っていましたね・・・
若手の台頭、加齢による変化、欧州経済の不安など、彼女を取り巻く環境は、厳しさを増してきてます。
暖かい目で見守ってあげたいと思ってます。
by nemo1962 (2012-02-05 17:48)
nemo1962 さんへ
コメントありがとうございます。
ブログまた拝見させて頂きます。
また来日を楽しみに待ちたいと思います。
by fujiki (2012-02-06 08:19)