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ジュノーとバルトリとアジリタの世界 [コロラトゥーラ]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は日曜日で診療所は休診です。
朝はいつものように駒沢公園で走りましたが、
どうも帰って来てから調子が出ず、
何となく遅い更新になりました。

今日はアジリタの至芸を聴いて下さい。
最初はヴィヴィカ・ジュノーが、
フランスのテレビで、
ヴィヴァルディの「グリセルダ」のアリアを歌った画像です。
凄いですよ。

彼女は藤原歌劇団のロッシーニ「チェネレントラ」と、
神奈川で1日だけ上演された、
ヴィヴァルディの「バヤゼット」で来日しました。
僕は両方聴きましたが、
特に「バヤゼット」は素晴らしく、
今でもオペラのオールタイムベストです。

この早口のヨーデルみたいな装飾歌唱を、
アジリタと呼んでいます。
こうしたアリアは、
作曲当時はカストラーテという、
去勢歌手の歌だったのです。
こんなアリアが次から次に出て来る、
歌合戦のようなものが、
当時のバロックオペラです。
これは歌手が揃えば最高ですが、
歌手がへっぽこだと辛くて上演する価値はありません。

次に当代のアジリタの代名詞のような、
チェチーリア・バルトリおばさんが、
ハイドンの「オルフェとエウリディケ」の、
アリアを歌っている画像です。
これも抜群です。

彼女はメゾソプラノですが、
最近は殆どソプラノの音域です。
数年前に来日し、
法外な値段で大顰蹙のリサイタルを開きましたが、
絶好調ではなかったもの、
それでも凄まじい歌でした。
特にモーツァルトは、
彼女が歌うと、
そうだこれこそ本物だ、
と有無を言わせず納得出来るものがあります。
ただ、2年ほど前の来日は、
条件面でトラブルがあり直前で流れていて、
招聘元に余程の腕がないと、
今後の来日は実現はしそうにありません。
ドタキャンも数知れずです。

バロックオペラは一時よく聴いていたのですが、
余程奇跡的な上演でないと、
ただ退屈なだけだと分かって、
最近はあまり行ってはいません。
へっぽこ上演を繰り返す団体もありますが、
僕の意見では落語の「寝床」のレベルです。

今日はアジリタの至芸を聴いて頂きました。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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コメント 4

末尾ルコ(アルベール)

わたしはオペラには明るくありませんが、先生のエッセーで興味が増してきております♪

                            RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2010-11-01 09:49) 

fujiki

RUKO さんへ
コメントありがとうございます。
生声の魅力を、
感じて頂ければ嬉しいです。
これからもよろしくお願いします。
by fujiki (2010-11-02 06:26) 

midori

いま少し時間があったので、
ここ3つほどの【コロラトゥーラ】の記事拝見して
YouTube拝聴しました。
いやあ、おなかいっぱい。
人間の声って凄いですねえ。
でもやっぱりデセイ様は違いますね。
先生がご贔屓なのも頷けます。
デセイ様のなら、何回も観たいですもの。
(他の方もとっても素晴らしいしスゴイと思いますけど、
でもしばらくいいです、特に口をウバウバ動かすやつとか 笑)
by midori (2010-11-21 16:57) 

fujiki

midori さんへ
デセイ様を気に入って頂ければ非常に嬉しいです。
アジリタはしつこく聞こえるかも知れません。
ただ、慣れるとしつこさが癖になる、
ということもあります。
by fujiki (2010-11-21 21:21) 

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