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ビタミンEが著効した脂肪肝炎の1事例 [仕事のこと]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は診療はいつも通りですが、
ソネットの都合で昼の更新になります。

それでは今日の話題です。

今日はビタミンEが著効した、
脂肪肝炎の事例をご紹介します。

患者さんは50代の男性です。

BMIは23とやや標準体重をオーバーし、
腹囲も89センチとやや太目ですが、
肥満というほどではなく、
実際にお会いしても、
お太りだという印象はありません。

お酒は全く飲めない方で、
ウイルス性肝炎も検査上なかったのですが、
血液ではGOT (AST)84、 GPT (ALT )191と、
中等度の肝機能障害を認めました。
お腹の超音波検査では軽い脂肪肝の所見を認め、
非アルコール性脂肪肝炎の可能性が高いと考えられました。

栄養指導を行なうと共に、
肝庇護剤である、
ウルソデオキシコール酸の使用を行ないましたが、
3ヶ月ほど経過を見ても、
数値は悪化傾向こそありませんが、
改善も認めません。

それで、以前文献をご紹介した、
ビタミンE の使用を開始としました。
処方はユベラを1日量で300mg です。

海外文献ではもっと大量を用いているのですが、
日本の健康保険の処方として問題のない分量で、
様子を見ようと思ったのです。

処方2か月後に採血を行ないました。

結果はちょっと驚くべきもので、
GOT 29、GPT46まで低下が認められました。

その間特に体重等の変化はありませんでしたので、
この肝酵素の数値の改善は、
ビタミンE の使用によるものと考えられました。

その後1年以上は経過を見ていますが、
数値は正常上限ギリギリくらいで推移していて、
それ以上に上昇することはありません。

全ての事例でこのように効果がある、
という訳ではありませんが、
特にお酒を飲まれない方の脂肪肝炎で、
あまり栄養指導の効果のない場合には、
ビタミンE の使用は有用な選択肢の1つではないかと、
僕は思います。

今日はビタミンE が著効した、
脂肪肝炎の事例をご紹介しました。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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