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医者の賄賂の心理学 [悪口]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

朝の8時にPCに向かっています。
気持ちのいい朝ですね。
こんな日こそ、
気持ちを引き締めて、
ミスのないように診療に当たりたいと思います。

決して惰性で流さないように。
それが、なかなか難しいんですね。

さて、今日の話題です。

もう、悪口めいた話は止めようと決めたのですが、
もう一つだけ、今日はある病院の話をします。
これも、本当にあったことです。

東京に住んでいるAさんの、
長野にいる親戚が、
地元の病院で、
胆道癌と診断されました。

もう手遅れで手術は出来ない、
と言われたのです。
その親戚はAさんを頼って、東京へ出て来ました。

東京には、どんな患者でも助かると評判の、
有名な病院があると聞いていたからです。

Aさんは親戚を連れて、
その大病院を訪れました。
担当した医師は、紹介状をちらと見ただけで、
診察すらすることはなく言いました。
「ここで手術は出来ません。お帰り下さい」

剣もほろろでした。

Aさんは再度病院を1人で訪れ、
外科部長に面会を求めました。
「この病院の対応について、是非お話したいことがある」
と言ったのです。

部長室で面会すると、
Aさんはすぐに、
お金の入った分厚い封筒を、外科部長の手に差出しました。
「先生の研究の足しにして欲しい」
と言ったのです。
勿論親戚の名前を伝えることは忘れませんでした。

翌日すぐにAさんの所へ、
病院の事務から連絡が入りました。
入院が決まったので、すぐに来て欲しいとのことでした。

Aさんの親戚はその有名病院に入院し、
すぐに手術の運びとなりました。

そして、手術の甲斐なく、その一ヶ月後に亡くなったのです。

皆さんはこの話をどう思われますか?

問題の本質は、
お金を受け取ったということよりも、
病院のポリシーを曲げて、
本来必要のない、
治る見込みのない手術をした、
ということにありますね。

どうしてこういうことが起こるのでしょうか。
そのことを、ちょっと心理学的な立場から、
分析してみたいと思います。

ユングによれば、思考(thinking)と感情(feeling)とは、
拮抗する概念です。
思考の肥大した人格は、
感情は貧弱で歪んだものになり易いのです。

大学教授が娼婦に恋したりするのは、
そんな人格の特徴ですね。
学校の先生が痴漢をしたりするのも、
同様のメカニズムです。
成熟した感情や愛情の成立しにくい心理があるのですね。

この賄賂を受け取った外科部長も、
そうした思考肥大のタイプと思われます。
冷静な状況で突き放すのは得意でも、
一対一で感情に訴え、
交換条件をシンプルに突きつけられると、
普通の人格以上に、
過剰に反応してしまうんですね。

別に何かを非難するつもりはありません。
ただ、不思議な病院だとは思いますね。
何のコネもなく受診すれば、
誰でもカフカ的不条理の世界に出会えます。

それでいて、所謂VIPには理想的な病院なんです。

そろそろ診療時間になります。
今日はこのくらいで。
石原がお送りしました。
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