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花粉症と免疫寛容のこと [科学検証]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は月曜日には珍しく晴れそうですね。
朝来てから、紹介状を2枚書いて、
健康診断の結果を整理して、
まだやることはあったんですが、
時間がなくなり、
取り敢えずPCに向かっています。

さて、今日の話題です。

山口大学で、経口の花粉症のクスリが開発された、
とニュースにありました。

サプリメントの範疇で、
大々的に売り出すプランのようですね。

発想はシンプルです。
スギの花粉の中の、
抗原性を持つ蛋白質を、
少しずつ飲ませて、
花粉症の症状を緩和させようと言うのです。

この治療の原理となるのが、
免疫寛容、という考え方ですね。

免疫とは、生物の身体の中で、
侵入した異物を、
排除するためのシステムです。

生物は侵入して来たものが、
自分にとって敵でないと分かると、、
それは攻撃しません。
では、どうやって敵味方を判断しているのか、
というのが大きな問題で、
今でも完全には解明されていないのだと思います。

外部からの侵入者を、
味方と認識する仕組みが、
免疫寛容です。

不思議なことに、口から入った物の方が、
免疫寛容は強く働くのですね。
この仕組みも、
まだ解明されてはいません。

しかし、経験的にはそれは以前から、
広く知られていたことではありました。

注射の薬より、内服の薬の方が、
アレルギーみたいな副作用は少ないですよね。
卵アレルギーの時、
一旦食べるのをストップしてから、
少量ずつ食べることをしてゆくと、
食べられるようになることがあります。
また、毒薬に身体を慣らすために、
少量の毒物を取り、
それを繰り返して、量を増やしていく方法も、
古代から行なわれていたことです。

これらの例の全ては、
口から入ったものには、
免疫寛容が強く作用する、
という性質を利用しているのですね。

では、この原理で花粉症が治るでしょうか。

若干の疑問があります。

口からの侵入でアレルギーの成立しているものなら、
効果は期待出来ますね。
ただ、勿論リスクはあります。
強いアレルギーが途中で表れる危険性ですね。

ただ、吸入されて症状を出す、
鼻炎のようなメカニズムに対して、
果たして同様の効果があるでしょうか。

通常注射を用いた同様の方法は、
1~2年は掛かると言われていますね。
それに対してこの方法は、
1ヶ月程度の期間で有効だ、と記事にあります。

何故こんなに早く効くのでしょうか。

これもまたちょっと疑問ですね。

僕の考えとしては、
多分効果は限定的で、
一時的なものではないか、と思いますね。
少し長いスパンで見た結果はまだない筈です。
ただ、今多く販売されている、
花粉症に効くという触れ込みのサプリメントの多くが、
この原理によるものであることは間違いないでしょう。

こんなことを言うと怒られるかもしれませんが、
期待より売れないと思いますね。

花粉症というのは不思議ですね。
言われているような、
単純なスギ花粉のアレルギーではない、
と僕は思います。
こんなに急に増えるのが絶対におかしいですよ。
単純に大気汚染とも言い切れないし、
何か今隠されている原因がある筈ですね。
僕は時々、人為的なものではないか、
と疑うことすらあるんです。
だって、おかしいでしょう。
日本のみに多いなんて。
日本人のこの数十年の生活の中に、
おそらく答えは隠されている筈です。

免疫寛容、って言うのは、
面白いんですよ。
ちょっと神秘的なんですね。
そのことが、
今の文章でちょっとでも伝わればいいんですが。

そろそろ診療時間になります。
今日はこのくらいで。

今日もみなさんにとって、いい日になりますように。
石原がお送りしました。



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