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「アステロイド・シティ」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で午前中は石田医師が、
午後2時以降は石原が外来を担当する予定です。

土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
アステロイド・シティ.jpg
映画作家としては、
当代アメリカを代表する1人である、
ウェス・アンダーソン監督の新作が、
今ロードショー公開されています。

初日に観たのですが、
映画館はほぼ満席の盛況でした。
ただ、大きないびきをかいて寝ている方もいて、
それを聴いて怒っているような人もいました。

これは1950年代のアメリカを舞台に、
「アステロイド・シティ」という3幕の戯曲の上演のドキュメンタリーを、
テレビで放映しているというモノクロパートと、
その戯曲自体が「映画」として上映されるカラーパートが、
交互に差し挟まれるという複雑な入れ子構造になっていて、
物語自体は西部の町を舞台に、
天才の少年少女が集まって表彰される、
科学賞の集まりに、
色々な背景を持つ家族が集まるという、
所謂グランドホテルスタイルの群像劇となっています。

物語をわざわざ「舞台劇」としているのは、
極彩色のポスターみたいな非現実的な映像を、
多分成立させるための仕掛けなんですね。
コーエン兄弟の映画に近いようなスタイルで、
こうした仕掛けをスムースに受け入れられるかどうかが、
この映画が好きになるかどうかの分かれ目、
という気がします。

かなりもってまわった感じの作劇なので、
個人的にはもっとストレートな映画の方が好きなのですが、
途中で衝撃的かつユーモラスに描かれる「未知との遭遇」が、
とても魅力的で素晴らしく、
大袈裟に言えば、
映画の新しい可能性を感じさせる場面に仕上がっていました。

それぞれの役柄を余裕を持って楽しそうに演じている、
豪華な出演者の競演も楽しく、
詩的でポップで美しい、
映画そのものの魅力に浸れる作品だと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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