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肺癌検診ガイドライン(2021年アメリカ) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療などには廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
肺がん検診の指針.jpg
JAMA誌の2021年3月9日号に掲載された、
肺癌のスクリーニングについての、
アメリカ予防医学作業部会(USPSTF)がまとめた、
ガイドラインの解説記事です。

肺癌のリスクとして最も大きなものは喫煙で、
そのためヘビースモーカーでは、
低線量の胸部CT検査の検診を行うことで、
一定の有効性が示されています。

2013年のUSPSTFの勧告では、
年齢が55から80歳で、
1日20本のタバコを30年以上に相当する喫煙者か、
それに相当する喫煙歴があって15年以内であれば、
毎年1回の低線量胸部CT検査が、
肺癌検診として有用であるとされていました。

その後の最新の知見を加えた今回の勧告では、
年齢が50から80歳で、
1日20本のタバコを20年以上に相当する喫煙者か、
それに相当する喫煙歴があって15年以内であれば、
毎年1回の低線量胸部CT検査が、
肺癌検診として有用であると細部が変更されました。

年齢が5歳若い時点から対象となり、
タバコの本数自体も、
もう少し少ない量からが対象となっています。
これはこれまでのデータのリスクの分析から、
もう少し範囲を広げても有用であると確認されたためです。

胸部CT検査による肺癌検診は、
ほぼグローバルスタンダードとなった感があり、
日本でも一部の市町村で導入されていますが、
その適応対象の絞り込みなど、
科学的な検証により、より有意義なものとなることを、
今後期待したいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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