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アガリスクエンターテインメント「笑の太字」 [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で、
午前午後とも石原が外来を担当する予定です。

今日は土曜日なので趣味の話題です。

今日はこちら。
アガリスクエンターテインメント.jpg
新世代のシチュエーションコメディ劇団、
「アガリスクエンターテイメント」の第22回公演として、
昨年初演された「七人の語らい(ワイフ・ゴーズ・オン」と、
新作の「笑の太字」が2本立てとして上演されています。
どちらも45分くらいの中編で、
その間に10分の休憩が入ります。
東京公演は明日までです。

「七人の語らい」の方は、
イギリスを舞台にした、
如何にもという感じのシチュエーション・コメディの台本を、
出演者が批評し合って解体してしまう、
という作品で、
これもまずまず面白かったのですが、
もう1本の「笑の太字」が、
新世代の屁理屈連射喜劇王、
冨坂友さんの面目躍如たる快作で、
あまりに全編が冴え渡った屁理屈掛け合いなので、
とても感銘を受けました。

これは題名で明らかなように、
三谷幸喜の「笑の大学」のパロディなのですが、
単なるパロディではなく、
三谷作品に真っ向から斬り結び、
それをねじ伏せようと無謀な挑戦をしている、
一筋縄では行かない作品です。

デュシャンの「泉」の西洋便器と、
「笑の大学」の台本の書き起こしを対比させる、
という奇想には唖然とするしかありませんし、
「笑の大学」を巡る論争を、
大学の演劇学科の教師と生徒という、
2人の間で戦わせることによって、
それ自体が「笑の大学」そのものになっている、
という多重的な構成が鮮やかで、
それが三谷幸喜を尊敬しつつ凌駕しようという、
大胆不敵な試みへと昇華するのです。

原典をもじったラストが、
ちょっと守りに入った感じがするのと、
挑戦的な台本を、
役者さんがまだ咀嚼しきれていないことを除けば、
冨坂さんの才気に圧倒される45分余で、
全ての演劇ファンにお薦めしたい傑作です。

僕が観た初日は、
女生徒役の熊谷有芳さんの芝居が、
これも素晴らしく圧倒的でした。

三谷幸喜さんの「笑の大学」を知らないと、
その面白みが分からないという点のみが残念ですが、
ご存知の方なら文句なくお薦めしたいと思います。

これはかなりビックリしますよ。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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