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バルバラ・フリットリ ソプラノ・リサイタル [コロラトゥーラ]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は日曜日で診療所は休診です。
色々あって遅い更新になりました。

今日はこちら。
バルバラ・フリットリ.jpg
現在最高のソプラノの1人、
バルバラ・フリットリが現在リサイタルのため、
来日中です。

イタリアはオペラの本場ですが、
実際にはイタリア出身の現役の名ソプラノは、
それほど多くはありません。
その中でエヴァ・メイと共に僕が最も好きなのが、
このフリットリです。

初来日はかなり遅かったのですが、
その後はコンスタントに来日を繰り返し、
オペラの舞台を主体に、
常に優れた歌唱を聴かせてくれました。
勿論人間ですから調子には高低もあるのですが、
常に水準以上の舞台を提供するプロ意識は、
さすがだと思います。
こりゃ駄目だ、と思うような舞台は、
聴いたことがありません。

オペラの舞台で僕が最も素晴らしいと思ったのは、
ウィーン国立歌劇場の来日公演で、
ムーティが指揮した
「コジ・ファン・トゥッテ」のフィオルディリージ役で、
彼女はコロラトゥーラも歌いますし、
声の重い役は歌わないのですが、
ベルカントも素敵なのです。

最近では多くのスターがキャンセルする中で、
震災後数ヶ月のメトロポリタン歌劇場の来日公演でも、
当初のキャストを土壇場で交代しながらも、
ネトレプコの穴を埋めて見事な歌唱を聴かせてくれました。

リサイタルは2009年が最初で、
今回が2回目です。
前回のリサイタルは、
ピアノの伴奏でしたが、
正直調子は今ひとつでした。

今回はオケの伴奏で、
彼女の出来も初日を聴く限り絶好調に近く、
僕は疲れていて途中でウトウトしてしまったのが、
本当に悔やまれるのですが、
抜群の出来でした。

曲目は少ないのですが、
1曲1曲が完成度が高く、
非常に慎重な準備の元に、
今回のリサイタルが組まれていることが分かります。
プログラムの構成も非常にセンスのあるものです。

また、今回3回のリサイタルが予定されていますが、
その中で1曲もダブる曲目はなく、
一期一会の覚悟を感じるのです。

上の写真はちょっと「ふくよか」ですが、
今はもう少し身体が絞れていて、
ビジュアル的にも素敵ですし、
体調も良さそうで声の伸びも良く、
それほど高音は出ないのですが、
彼女の選択するレパートリーの中では、
全ての音域が安定しています。
東京フィルのオケも、
気合の入ったサポートで、
悪くありませんでした。

今週の水曜日にもう1回公演がありますので、
ご興味のある方は是非。

現在最高水準のソプラノの至芸が、
聴かれることは僕が保障します。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
 
(付記)
ご指摘を受け誤りを修正しました。
(2012年1月31日午後1時半修正)
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コメント 5

amora1962

こんばんは、石原先生。
 毎日先生のブログを読ませていただいてます。
私は、アンドレア・ロストの大のファンです。
以前先生がアンドレア・ロストを記事でとりあげていたので、
もしかして24日のアンドレア・ロストのリサイタルに行かれたかな
と期待してましたが・・・
 リサイタル、とても良かったですよ。
彼女のお嬢さんと、たっぷりお話もできたし・・・
 サイン会に臨む彼女の姿をおさめた動画を、YouTubeに投稿いたしました。
Rost Andrea's signing session begins で検索すれば、先頭に表示されます。
彼女の表情や、ファンの拍手、ピアニストさんを呼ぶ関係者の声などが入ってます。
1分にも満たない短い動画ですが、ぜひご覧になってみてください。
なお、お時間があるときにでも、私のブログをのぞいてみてください。
アンドレア・ロストの書庫があります。
そこに、いっぱーい彼女のことを書いてます。
by amora1962 (2012-01-30 18:33) 

fujiki

amora1962 さんへ
勿論ロストも行きました。
その後フリットリがあったので、
ちょっと複雑な気分になったのです。
今回は後半のプッチーニが良かったですね。
情感の溢れた歌で素敵でした。
前半のコロラトゥーラがちょっと…
多分あまり最近はああした曲は歌っていないのですね。
僕はロストのコロラトゥーラが好きなので、
前回のリサイタルが抜群に良かっただけに、
その点はちょっぴり残念でした。
今度感想をアップしたいと思います。
サイン会には行かなかったので羨ましいです。
ブログ読ませて頂きます。
by fujiki (2012-01-31 08:09) 

Vermeer

僕が最も素晴らしいと思ったのは、
スカラ座の来日公演で、
ムーティが指揮した
「コジ・ファン・トゥッテ」のフィオルディリージ役で⇒
ムーテイ指揮ウィーン国立歌劇場来日公演(2008年)
の間違いではないでしょうか?
by Vermeer (2012-01-31 11:24) 

fujiki

Vermeer さんへ
ご指摘ありがとうございます。
何となくムーティ指揮だったので、
間違えてしましました。
修正しました。
あの時の来日公演は、
1演目以外は素晴らしかったと思います。
by fujiki (2012-01-31 13:34) 

amora1962

こんばんは、石原先生。
早速のお返事ありがとうございます。
私も、彼女のミミが大変気に入りました。
「ミミの別れ」のあと、最初にブラヴォーと叫んだのは私です。
そのことを、サインをもらいながら話したところ、とてもうれしそうな顔をされ、彼女から握手を求めてきて・・・
彼女の年末年始のスケジュールをご存知でしたか?
とてもハードな日程でした。
大晦日から9日まで、9公演こなしたんですよ。
東京(サントリーH)、横浜、長野、大阪、名古屋、岡崎。
ですから、疲労は残っていたと思われます。
精一杯頑張ったと思います。
そんな彼女が大好きです。
by amora1962 (2012-01-31 20:47) 

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