「空気の底」と手塚治虫の世界 [漫画]
こんにちは。
六号通り診療所の石原です。
今日は日曜日で診療所は休診です。
雲行きは怪しかったのですが、
折り畳み傘を片手に駒沢公園まで走りに行って、
幸い戻って来るまでには雨は降りませんでした。
今日は午後に髪を切りに行く以外は、
特に予定はありません。
いつも行っていた「流行らない床屋」が、
今年の1月で店を閉めてしまったので、
今はその近くの別の床屋に行っているのですが、
予約制でしかもご主人の都合による予約制です。
まず電話をして、
「日曜日や祝日しか行けないのですが、
いつならやって頂けますか?」
と聞くと、
「5月1日の午後1時ならいいよ」
と言われるので、
それで決定します。
こちらの都合で日時や時間は決められないので大変です。
休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
父の書斎に手塚治虫の「鉄腕アトム」は、
「青騎士」までの第一部は全部揃っていたので、
これはもう何度読んだか分かりません。
シールが付録で付いていた、
大判の本です。
ミステリーっぽい話とか、
映画ネタとか、
色々な趣向のものがあって、
本当に楽しみました。
蜂が一杯出て来る話があって、
それだけは絵が気持ち悪くて、
読み返すことが出来ず、
未だに僕のトラウマです。
僕の好みは、
クレオパトラがロボットで復活する話とか、
身体に地球を破壊するような爆弾を仕込まれた、
冷蔵庫を持った少女の話。
彼女は抜群に可憐で素敵だったよね。
それからロボットが集結して、
巨大な戦艦になる軍事独裁国の秘密兵器の話。
部品の筈のロボットが、
アイデンティティを持って反逆するのです。
後年アトム復活後のものも読んだのですが、
出来は正直かなり落ちましたね。
画像を出した「空気の底」は、
大人ものの漫画誌に書かれた、
非常にダークな雰囲気の短編集で、
これも父の書斎で小学校の頃に読みました。
全てとても嫌な話で、
ハッピーエンドは1つもなく、
全て最悪の結末が待っています。
「夜の声」というのが凄く好きで、
これは若いエリート実業家が、
楽しみで路上生活を密かにしているのですが、
そこで家出少女に逢い、
路上生活者として少女と恋に落ち、
彼女を自分の会社に採用するのですが、
少女に憎まれて殺されてしまうのです。
これは上巻しか長く読むことが出来ず、
下巻は10年ほど前に、
上巻とセットで古書市で買いました。
ただ、読んでみると傑作は上巻に集中していて、
下巻はあまり面白くはありませんでした。
上巻は矢張り今読んでも衝撃的なのですが、
所謂「日本のタブー」を幾つか取り上げていて、
そのスタンスは今読むと薄手な感じはします。
70年代のエンターティンメントの、
ある種ダークな感じというのは、
一時は僕の憧れだったのですが、
こんな時代になってみると、
そのメッキは大分剥がれたな、
という思いはあります。
手塚治虫は勿論天才ですが、
当時の日本は非常に狭かったので、
彼には今の時代を生きて欲しかった、
今の時代に勇気を与えてくれる作品を、
生み出して欲しかった、と切に思います。
それでは今日はこのくらいで。
皆さんも良い休日をお過ごし下さい。
石原がお送りしました。
六号通り診療所の石原です。
今日は日曜日で診療所は休診です。
雲行きは怪しかったのですが、
折り畳み傘を片手に駒沢公園まで走りに行って、
幸い戻って来るまでには雨は降りませんでした。
今日は午後に髪を切りに行く以外は、
特に予定はありません。
いつも行っていた「流行らない床屋」が、
今年の1月で店を閉めてしまったので、
今はその近くの別の床屋に行っているのですが、
予約制でしかもご主人の都合による予約制です。
まず電話をして、
「日曜日や祝日しか行けないのですが、
いつならやって頂けますか?」
と聞くと、
「5月1日の午後1時ならいいよ」
と言われるので、
それで決定します。
こちらの都合で日時や時間は決められないので大変です。
休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
父の書斎に手塚治虫の「鉄腕アトム」は、
「青騎士」までの第一部は全部揃っていたので、
これはもう何度読んだか分かりません。
シールが付録で付いていた、
大判の本です。
ミステリーっぽい話とか、
映画ネタとか、
色々な趣向のものがあって、
本当に楽しみました。
蜂が一杯出て来る話があって、
それだけは絵が気持ち悪くて、
読み返すことが出来ず、
未だに僕のトラウマです。
僕の好みは、
クレオパトラがロボットで復活する話とか、
身体に地球を破壊するような爆弾を仕込まれた、
冷蔵庫を持った少女の話。
彼女は抜群に可憐で素敵だったよね。
それからロボットが集結して、
巨大な戦艦になる軍事独裁国の秘密兵器の話。
部品の筈のロボットが、
アイデンティティを持って反逆するのです。
後年アトム復活後のものも読んだのですが、
出来は正直かなり落ちましたね。
画像を出した「空気の底」は、
大人ものの漫画誌に書かれた、
非常にダークな雰囲気の短編集で、
これも父の書斎で小学校の頃に読みました。
全てとても嫌な話で、
ハッピーエンドは1つもなく、
全て最悪の結末が待っています。
「夜の声」というのが凄く好きで、
これは若いエリート実業家が、
楽しみで路上生活を密かにしているのですが、
そこで家出少女に逢い、
路上生活者として少女と恋に落ち、
彼女を自分の会社に採用するのですが、
少女に憎まれて殺されてしまうのです。
これは上巻しか長く読むことが出来ず、
下巻は10年ほど前に、
上巻とセットで古書市で買いました。
ただ、読んでみると傑作は上巻に集中していて、
下巻はあまり面白くはありませんでした。
上巻は矢張り今読んでも衝撃的なのですが、
所謂「日本のタブー」を幾つか取り上げていて、
そのスタンスは今読むと薄手な感じはします。
70年代のエンターティンメントの、
ある種ダークな感じというのは、
一時は僕の憧れだったのですが、
こんな時代になってみると、
そのメッキは大分剥がれたな、
という思いはあります。
手塚治虫は勿論天才ですが、
当時の日本は非常に狭かったので、
彼には今の時代を生きて欲しかった、
今の時代に勇気を与えてくれる作品を、
生み出して欲しかった、と切に思います。
それでは今日はこのくらいで。
皆さんも良い休日をお過ごし下さい。
石原がお送りしました。
2011-05-01 12:05
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コメント(9)
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小学校時代にお父様の書斎で本を読まれていて、その頃からきっと賢い子だったんでしょうね。
私の息子(9歳)とは大違いで、どうしたら先生のような大人の人間になれるだろうかと思っておりましたところに、先生の子供時代が少し垣間見れてうれしいです。先生のご両親はどのように先生をお育てになったんでしょうね。参考にしたいものです。
息子も最近、将来の夢を語るようになりまして、非常に心配なのですが、医者になりたいと申しております。医者になるのであれば、先生のような人徳のある医者になって欲しいのですが、私も未熟な母親で手探りの状態で子育てをしております。時間のあるときにでも、また先生の子供時代のお話やご両親とのエピソードなどあれば、是非記事にしてほしいものです。勝手なリクエストをしてすみません。
by アダム (2011-05-01 15:21)
アダムさんへ
コメントありがとうございます。
そう言って頂くと嬉しいのですが、
そう大層なことは何もありません。
僕には子供はいませんが、
もしいれば、
人生の仕組みについては、
もう少し僕自身よりは教えてあげたいな、
とは思います。
by fujiki (2011-05-01 21:43)
お二方のコメントを拝読してのコメントで恐縮ですが、自分が大人に
なって思いますのは、子どもには「大人になったら何になりたいか?」
と問うのではなく、「どんな大人になりたいか?」と問う、またそれを
導ける大人であるべきかと。
また、日本は学歴社会ではなく、実際のところは学校歴社会なので
すが、ちゃんと“なりたい大人”になるために「学歴」をつませたいもの
ですね。
と、かく言う私も子どもはいません(笑)。
by stargazer (2011-05-01 22:28)
子どもの頃感動したもので、大人になって読み返すと「ありゃ?」というのはよくあります。(笑)
読み返さなきゃよかったというか・・。
マンガのインパクトは大きかっただけに、「こんなもんだったの?」というのは少なくありませんね。(永井豪とか・・)
映画は案外、子どもの頃つまらなかったものが、観返すと「おもしろいじゃない!」というのが多い気がします。
RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2011-05-02 01:33)
先生はホントに謙虚ですね。
「人生の仕組み」ですか。私には難しくて、どう説明したらいいのでしょうね。先生の子供に産まれたかったわ(笑)
stargazerさんの
「大人になったら何になりたいか?」
と問うのではなく、「どんな大人になりたいか?」と問う、またそれを
導ける大人であるべきかと。
というご意見、なるほどって思いました。でも悲しいことに、最近では、こうなりたいと思う”大人のモデル”が見つけにくくなってきて、子供たちの目には何が写っているのか心配になることがあります。
私も襟を正さなくてはいけませんね。
by アダム (2011-05-02 04:25)
stargazer さんへ
コメントありがとうございます。
今思うと後悔することばかりですが、
仕方がありませんね。
by fujiki (2011-05-02 08:28)
RUKO さんへ
コメントありがとうございます。
そうですね。
漫画は初読のインパクトが強烈なので、
再体験はし辛いのかも知れません。
by fujiki (2011-05-02 08:30)
2007年にサンフランシスコの美術館で、手塚治虫の展覧会がありました。
http://www.asianart.org/tezuka.htm
by サンフランシスコ人 (2011-06-23 07:21)
サンフランシスコ人さんへ
ホットドック兵団の巻とか、
懐かしいですね。
あれは確か犬を改造して、
無敵の兵士を作る話でした。
by fujiki (2011-06-23 07:53)