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DHEAの話(又はステロイド家族のよく出来る息子の話) [医療のトピック]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は水曜日なので、
診療は午前中で終わり、
午後は事務仕事に追われる予定です。

それでは今日の話題です。

今日は以前予告しました、
ステロイド家族の出来る息子、
DHEAの話です。

ええと、ステロイド家族というのは、
僕が勝手に命名したものです。
馬力のある「糖質コルチコイド」父さんと、
命の水の管理をする「電解質コルチコイド」母さんの間に、
健気なビタミンDという娘と、
良く出来るDHEAという息子がいます。

まずこちらを見て下さい。

これがステロイド家族の系図です。
これは実は、
ある病気の方のホルモンの数値を記載したもので、
僕が以前学会発表したものの抜粋です。
ですから、下に書いてある数字は、
取り敢えずは無視して下さい。
コレステロールを材料にして、
一番下の「糖質コルチコイド」の代表である、
コルチゾールと、
同じく一番下の段にある、
「電解質コルチゾール」の代表である、
アルドステロンが作られます。
一番右の行に並んでいるのは、
主に性ホルモンです。
要するにコルチゾールが父さんで、
アルドステロンが母さんです。

赤い矢印の先にあるDHEAは、
性ホルモンの元のホルモンです。
DHEAと言うのは、
dehydroepiandrosterone の略称です。
DHEAは性ホルモンの材料であると共に、
それ自体でもユニークな作用を持っています。
DHEAはDHEA-S という物質に変換され、
主にこの形で血液の中に存在しています。
要するにビタミンDと同じように、
活性型がDHEAで非活性型がDHEA-S なのです。
このDHEA-S は、人間の身体の中で、
最も多く存在するステロイドホルモンです。

それでは、次をご覧下さい。

これも僕が自分で取ったデータです。
男女別に、血液のDHEAと年齢との関係を見たものです。
向かって右のグラフが女性で、
左のグラフが男性です。
いずれも縦軸がDHEAの値で、横軸が年齢です。
年齢を40代で分けているのは、
女性の閉経との関連をみたものです。
ただ、今考えると、
40歳で分けたのは、
ちょっと女性に対する配慮に欠けますね。
男女とも、年齢と共に減少しています。
では次を。

これは同じ関係を、
今度はDHEA-S で見たものです。
矢張り年齢と共にその数値は減少しています。

これは当たり前のことのようで、
ちょっと違います。

性ホルモンは確かに年齢と共に低下します。
でも、それはあくまで精巣や卵巣からの、
性ホルモンの話です。
DHEA は副腎で合成されるホルモンです。
副腎で合成されるホルモンのうち、
このように年齢と共に低下するものは、
他にないのです。

これがまず、大きなポイントです。

非常に悲しいことではありますが、
人間の活力は年齢と共に低下します。
その原因として、
このDHEAが関係しているのではないか、
と考えられたのです。
そのために、若返りの薬として、
DHEA を使うという試みを行なっている、
クリニックやエステなどもありますね。

本当にDHEA には、
アンチエイジングの効果があるのでしょうか?

この続きは明日にしますね。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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