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狂犬病ワクチン入手難に思うこと [医療のトピック]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は水曜日なので、診療は午前中だけです。
午後は月初めなので、レセプトの整理をします。
要するに、前月の診療報酬を、
健康保険組合に請求するための、
書類を作るのですね。
審査も厳しいので、これが結構骨が折れます。

溶連菌の感染症が流行っているようですね。
主にお子さんで、のどが腫れ、熱が出ます。
昨日は2名の患者さんに菌が検出されました。
普通の風邪とは治療が違いますので、
ご注意下さい。

さて、今日の話題です。

狂犬病のワクチンが、現在接種困難になっているようですね。
在庫がなく、打ちたくても打てない状況です。

昨年の11月にフィリピンから帰国した男性が、
狂犬病を発症して、死亡。
それ以来、需要が高まって、入手困難となっているようです。

狂犬病には有効な治療がなく、
一旦発病すれば、致死率ほぼ100パーセントという、
怖い病気です。
ワクチンに対して、否定的な意見の方もいるとは思いますが、
この病気に関する限り、
有効な予防法がワクチンしかないことも、
また事実です。
特にアジアの広い範囲では、未だに発生は多いですね。

日本での狂犬病のワクチンは、
日本の一箇所で製造されたものしか、
使用が認められていません。
これは、アメリカの女性患者からの分離ウイルス株を元に、
培養を繰り返して精製したものなのだそうです。

1980年に認可された、その日本製の狂犬病ワクチンは、
副作用が少なく、優秀なワクチンとして定評があります。

海外、特に発展途上国で使われているワクチンは、
脳炎の副作用が高率で発生するケースがあり、
日本のワクチンとは製造工程も違うため、
注意が必要です。

最近では、輸入の狂犬病ワクチンを接種している医療機関もありますが、
そのワクチンの内容と、リスクについて、
充分納得した上での接種が必要です。
原則として、輸入ワクチンの接種は認められていないからです。

ですから、特に発展途上国に長期滞在される方は、
日本でワクチンを打って行くことが、
勧められるのですが、
最初に書きましたように、
極端な入手難が続いています。

以前インフルエンザワクチンの話を書きましたが、
日本の医薬品の流通には、
かなり問題がありますね。
ちょっと需要が高まれば、
本当にあっと言う間に、薬は消滅します。
そして、インフルエンザの時のように、
マスコミを挙げて大騒ぎでもしないと、
翌年も自然に改まることはありません。
行政の責任がかなり大きいと思うのですが、
皆さんはどうお考えになりますか?

それでは今日はこの辺で。

今日が皆さんにとって、いい日でありますように。

石原がお送りしました。
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