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「女王陛下のお気に入り」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
女王陛下のお気に入り.jpg
18世紀のイギリス王室における、
有名な女同士の権力闘争を題材にして、
ギリシャ出身でアクの強い映画を撮る、
ヨルゴス・ランティモス監督が演出し、
主役の3人にイギリスの演技派、
オリビア・コールマンとレイチェル・ワイズ、
アメリカの人気者エマ・ストーンが顔を揃えた、
米英・アイルランド合作映画を観て来ました。

これは映像が美しいですし、
3人のキャストの演技も抜群なので、
まずは面白く観賞することの出来る映画です。

ただ、物語にはあまり意外性のある展開などはなく、
ほぼ史実に沿った権力闘争が、
そのままに進んでゆくので、
あまり盛り上がる感じではありません。

ラストも心理描写に重きをおいた感じで、
明確な結論が出るという描写ではないので、
何となくモヤモヤする印象が残ります。

また、全裸の貴族に果物を投げつける趣向や、
女性が糞尿や泥まみれになったり、
兎を踏みつぶそうとする描写など、
かなりアクの強い、悪趣味ギリギリの表現が多く、
それがさほど効果的とも思えないので、
観ていて疑問に感じました。

悪趣味でグロテスクな映画は、
それはそれで良いと思うのですが、
この映画では物語自体はオーソドックスで、
あまり倒錯的な情熱などが描かれているという訳ではないので、
物語と演出とのバランスが、
やや悪いように感じたのです。

こうした演出を施すのであれば、
もっと物語の展開にも破天荒な部分が、
必要であったのではないでしょうか。

実際のアン王女はもっと聡明な指導者であったようですが、
抗リン脂質抗体症候群のために、
血栓症を繰り返し、
流早産を繰り返して多くのお子さんを失ったことや、
女官同士の権力闘争などは事実であるようで、
その辺りはほぼ史実に則った物語が展開されています。

ただ、結構リアルに18世紀の生活が描写されている一方、
ありえない振り付けのダンスがあったり、
イギリス王室の話の割には、
スケール感は地方の貴族のいざこざ程度にしか見えなかったりと、
疑問に感じるような点も多いことも確かです。

そんな訳で結果的にはあまり乗れなかったのですが、
凝りに凝った映像は美しく、
3人のキャストの演技合戦は見応えがあるので、
一見の価値はある映画だと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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