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朝食を抜くと太る、は本当か? [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日なので、
診療は午前中で終わり、
午後は別件の仕事で都内を廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
朝食抜き生活と肥満.jpg
「朝食を抜くと太る」というのは、
比較的良く聞く食生活の常識的意見です。

そのために、
1日3食をしっかり摂るという食生活が推奨されます。

しかし、そこにはどれほどの科学的根拠があるのでしょうか?

こちらをご覧下さい。
朝食抜き生活のリスク.jpg
これはその問題についての代表的な知見の1つで、
2013年のPublic Health Nutrition誌に掲載されたものです。
スウェーデンにおける16歳の年齢から27年という、
長期間の疫学データを活用して、
16歳時の朝食抜きの食生活が、
43歳時の肥満やメタボリックシンドロームと、
どのような関連があるのかを検証したものです。

その結果、朝食を食べないことは、
中年期のメタボリックシンドロームのリスクを、
1.68倍(95%CI: 1.01から2.78)、
中心性肥満のリスクを1.71倍(95%CI: 1.00から2.92)、
空腹時血糖のリスクを1.75倍(95%CI: 1.01から3.02)、
それぞれ相関は弱いものの有意に増加していました。

このように、朝食抜きの食生活は、
肥満やメタボの誘因になるというデータはあるのですが、
時間がかなり経ってから影響する、
というようなやや回りくどいもので、
差が付いていると言っても、
かなり微妙な差というレベルです。

今回の研究では、
これまでに報告された臨床データをまとめて解析する、
システマティック・レビューとメタ解析という手法を用いて、
この問題の検証を行なっています。

所得の高い地域で行われた、
これまでの13の介入試験をまとめて解析した結果として、
朝食を摂らない生活をする人は、
きちんと摂る人と比較して、
やや体重の多い傾向はあるものの明確ではなく、
朝食を撮るかどうかで比較した試験では、
朝食を撮ることによりトータルな摂取カロリーは増加し、
それは体重減少よりむしろ体重増加に結び付いていました。

このように、
朝食を撮る習慣自体は健康的なものですが、
朝食を撮らない人に摂るような指導を行うことは、
体重減少には逆効果である可能性が高いようです。

朝食を抜くと太る人もいるとは思いますが、
「朝食を抜くと太る」というのは、
科学的な事実とは言えないようなのです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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よっしー

始めまして、2型糖尿病の女性患者です。私は子供の頃から旅館の朝食みたいなバランスの良い朝食を食べていましたが、発症してから血糖値を測定したところ朝は食事の糖質量以上に血糖値が上がることが分かって以後、朝は軽く済ませることにしています。

朝は血糖値が上がりやすい患者は多いと思います。血糖値って難しいですね。。
by よっしー (2019-02-24 10:59) 

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