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ライノウイルス感染と温度と湿度との関係 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
ライノウイルスと湿度と温度.jpg
2016年のViruses誌に掲載された、
風邪の代表的な原因ウイルスの感染と、
温度と湿度との関連を検証した論文です。

温度が低く湿度が低いと、
風邪が流行しやすいというのは、
昔から経験的には広く知られている事実です。

ただ、
その理由はあまりはっきりとは分かっていません。

低温で乾燥した環境では、
ウイルスの増殖が促進される、
というようなデータは疫学データとしても、
実験的なデータとしても報告はされています。

その一方で低温で乾燥した空気が気道に入ると、
ウイルスに対する身体の防御力が低下することを、
示唆するようなデータも存在しています。

今回の研究はフィンランドの徴集兵892名を対象として、
訓練中の温度と湿度が、
その後の風邪ウイルスの代表であるライノウイルスの感染に与える影響を、
比較検証しています。

その結果、
低温や湿度そのものよりも、
温度や湿度が低下することが、
その後のライノウイルス感染のリスクを増加させていました。
超低温で湿度が高い環境では感染のリスクは低下し、
平均した比較的高温では感染リスクはむしろ増加していました。

このように、
低温も湿度も、
ウイルス感染のリスクと無関係ではないのですが、
その関係は単純な高低で決定されるような、
簡単なものではないようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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