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「ダンケルク」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は祝日でクリニックは休診です。
何もなければ今日は1日家で過ごすつもりです。

休みの日は趣味の話題です。
今日は映画の話題が1本と演劇の話題が1本です。

まずこちらから。
ダンケルク.jpg
クリストファー・ノーランの新作「ダンケルク」が、
今ロードショー公開されています。

品川のIMAXで観て来ました。

これはサイレント映画の時代の戦争映画をお手本に、
それを現代の技術で精緻に映像化した、
かなりマニアックな作品で、
ストーリーは殆どなく、
台詞も極端に少なく切り詰められていて、
昔の戦意高揚映画にお決まりの、
「勝つまで闘いを止めないぞ!」というような、
アジテーションが最後に付く形式になっているので、
純粋の映像表現のみを楽しむ、
という感覚で観ないと、
おそらく落胆は必至の作品です。

ただ、映像はともかく凄まじくも素晴らしくて、
全編がIMAXフィルムで撮影されているので、
IMAXで観ないと全く面白くはないと思うのですが、
こんなものはテレビで観ても、
何1つ面白くはないと思いますから、
IMAXで体験してみる価値は、
充分にあると思います。

まさしく現場を体感しているという感じで、
最初に若者の目の前に、
グワっと浜辺の情景が広がるところも凄いですし、
戦闘機の空中戦の極めてリアルな迫力や、
沈んだ船に閉じ込められる感じ、
船倉に潜んでそこに銃弾が撃ち込まれて、
ボコボコ穴の開く恐怖感など、
物凄く手が掛かっていることは間違いのない映像の数々が、
これでもかと連続して大画面に現れるのですから、
映像としての映画を愛する人には、
たまらない魅力に満ちています。

ただ、その一方でストーリー重視で映画を観るという方には、
この映画はあまり向いていないと思います。
実際、一緒に行った妻は、
何ひとつ見る物がない、
ただ最初から最後までドンパチしているだけ、
と怒っていました。

僕はノーランの初期作の「メメント」が大好きで、
今回も3つの物語を時制を変えて並立的に描く、
というようなことが書かれていたので、
これは超絶技巧がまた観られるのかしら、
とそれはちょっと期待をしたのですが、
実際には後から言われれば、なるほどね、
という感じもあるのですが、
語り口の1つとしての技巧であって、
特にそれが前面に立っている、
と言う感じの映画ではありませんでした。

ラストに飛行機の不時着を、
長く長く引き伸ばすのだけは、
ちょっと面白いと思いました。

そんな訳で宣伝は極めて仰々しいのですが、
万人向けの映画でないことは確実なので、
凄い映像を観たいという方だけ、
必ずIMAXの劇場で「体感」して頂きたいと思います。

僕は結構好きです。
凄いですよ。
でも、ラストは何か、
モヤモヤします。

それでは次の記事に続きます。
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コメント 2

midori

先生こんにちは。
私も「メメント」大好きなのですが、
ノーラン監督の他の作品にはいまいちノリきれず、
この「ダンケルク」も評判は良さそうですけど、
観に行くのはちょっと迷っています。
とりあえず「三度目の殺人」は行ってきます。
by midori (2017-09-24 17:23) 

fujiki

midoriさんへ
ちょっと戦意高揚映画みたいな作りなんですよね。
過去の関係者に敬意を表してそうなったのだと思いますが、
日本で観るのは正直違和感はあります。
ただ、IMAXで観ると映像は圧倒的です。
別にひねりは全くないです。
「三度目の殺人」と「散歩する侵略者」は、
時間があればもう一度観てもいいな、
というくらいには思っています。
by fujiki (2017-09-24 21:36) 

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