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うつ病の運動療法(2024年メタ解析) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
うつ病の運動療法.jpg
British Medical Journal誌に、
2024年2月14日付で掲載された、
うつ病の有効な運動を検証したメタ解析の論文です。

うつ病の現状の治療の柱は、
心理療法と薬物療法ですが、
それらを補う意味で注目されているのが運動療法です。

うつ病においては通常活動性が低下するため、
糖尿病や心臓病、肥満などのリスクを高めることも知られています。

運動にはリラクゼーションの効果もありますし、
緊張で硬直した身体をほぐすことは、
脳にも良い影響を与える可能性が想定されます。
また、うつ病に併発する生活習慣病などの予防にも繋がるのです。

しかし、実際にどのような運動をすることが、
うつ病において適していて、治療効果が望めるのか、
というような点については、
これまであまり明確なことが分かっていませんでした。

今回の研究は、
これまでの主だったうつ病に対する運動療法の効果を検証した、
介入試験のデータをまとめて解析することで、
この問題の検証を行っています。

これまでの218の臨床研究に含まれる、
トータルで14170名のうつ病患者のデータをまとめて解析したところ、
ウォーキングやジョギング、ヨガ、筋力トレーニング、
の3者が他の運動よりうつ病の改善への有効性があり、
運動強度は高いほど有効性も増すことが確認されました。
特に患者さんへの受け入れにおいて、
ヨガと筋力トレーニングがより優れていました。

今後こうしたデータを元にして、
うつ病の患者さんにおける運動療法が、
より科学的に整備され活用されることを期待したいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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