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「日刊ゲンダイ糖尿病特別号」 [告知]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
企業のインフルエンザワクチン接種などで都内を廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日は告知です。
日刊ゲンダイ特集.jpg
日刊ゲンダイの糖尿病特集号が、
11月9日から発売されています。

糖尿病の診療についての最近の進歩や、
患者さんの意識の変化などを、
一般の方向けに分かり易くまとめた内容ですが、
私もSGLT2阻害剤についてと、
新薬の医療費についての記事を寄稿しています。

糖尿病の診療における最近の画期的な進歩は、
GLP1アナログとSGLT2阻害剤という2種類の糖尿病治療薬の登場で、
いずれも糖尿病の患者さん自体の予後を改善するという、
これまでの多くの治療薬が望んでも得られなかった効果を、
精度の高い臨床データで実証している点が、
これまでにない画期的な知見で、
個人的にはインスリン製剤の使用以来の、
この分野のブレイクスルーではないかと考えています。

インスリンの注射の登場により、
それまでケトアシドーシスで死に至るよりなかった、
インスリン依存性糖尿病の患者さんが、
命を繋ぐことが出来るようになったのです。
その黎明期は今公開中の映画、
「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」にも描かれています。

しかしその後の主に2型糖尿病の治療薬は、
血糖値を下げることは出来ても、
患者さんの健康寿命を延ばすような効果は、
得ることが出来なかったのです。
多くの糖尿病治療薬は血糖は下げる一方で、
高インスリン血症や肥満、
重症低血糖による脳神経障害などのリスクを高め、
心血管疾患のリスクをむしろ高める方向に、
繋がってしまっていたからです。

その流れを反転させたのが、
SGLT2阻害剤とGLP-1アナログの臨床データで、
そこで初めて糖尿病治療薬が、
患者さんの生命予後自体を改善する可能性が示されたのです。

その後GLP-1アナログは肥満症の治療薬として、
SGLT2阻害剤は心不全や腎障害などの治療薬としても、
その適応が拡大していることは、
薬の優秀性を示す1つの現れではないかと思います。

ただ、その一方で勿論個々の薬剤故の有害事象もあり、
薬が非常に高価になっているという問題もあります。

その辺りの話を私なりにまとめてみました。

他の方の書かれた部分については、
私に責任の持てるものではありませんが、
結構力を入れて書きましたので、
よろしければご一読頂ければと思います。

発売期間は11月23日までとのことですので、
よろしくお願いします。

今日はちょっとした告知でした。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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