新型コロナ経口薬パキロビッドのオミクロン株への有効性 [医療のトピック]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
the New England Journal of Medicine誌に、
2022年8月24日ウェブ掲載された、
ファイザー社による経口新型コロナ治療薬、
パキロビッドのオミクロン株への有効性についての論文です。
パキロビッド(ニルマトレルビルとリトナビルの合剤)は、
日本でも緊急使用の対象として使用されている、
新型コロナウイルス感染症の経口治療薬で、
重症化リスクのある軽症から中等症の新型コロナ患者が、
症状出現後5日以内に内服することにより、
その重症化を予防するという効果の薬です。
その有効性のデータはデルタ株の流行時期に確認されていますが、
今のオミクロン株の流行に対して、
どの程度の有効性があるのかは、
まだデータが不足しています。
今回の研究ではイスラエルにおいて、
40歳以上でオミクロン株の流行期に、
新型コロナウイルスに感染し、
パキロビッドの適応を満たした109254名のうち、
実際に投与が施行された3902名のデータを解析しています。
その結果、
年齢が65歳以上の患者においては、
新型コロナウイルス感染症による入院のリスクが、
パキロビッドの使用により、
73%(95%CI:0.15から0.49)有意に低下していました。
新型コロナ感染による死亡のリスクについても、
79%(95%CI:0.05から0.82)有意な低下が認められました。
一方で年齢が40から64歳の患者においては、
入院のリスク、死亡リスクのいずれにおいても、
パキロビッド使用による有意な低下は認められませんでした。
このように、
65歳以上の年齢層においては、
かなり明確な重症化予防効果が、
オミクロン株流行期においても認められましたが、
若年層においては有効性は確認されませんでした。
こうしたデータを基にして、
今後この薬の適応については、
より詳細な検証が必要であるように思います。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
the New England Journal of Medicine誌に、
2022年8月24日ウェブ掲載された、
ファイザー社による経口新型コロナ治療薬、
パキロビッドのオミクロン株への有効性についての論文です。
パキロビッド(ニルマトレルビルとリトナビルの合剤)は、
日本でも緊急使用の対象として使用されている、
新型コロナウイルス感染症の経口治療薬で、
重症化リスクのある軽症から中等症の新型コロナ患者が、
症状出現後5日以内に内服することにより、
その重症化を予防するという効果の薬です。
その有効性のデータはデルタ株の流行時期に確認されていますが、
今のオミクロン株の流行に対して、
どの程度の有効性があるのかは、
まだデータが不足しています。
今回の研究ではイスラエルにおいて、
40歳以上でオミクロン株の流行期に、
新型コロナウイルスに感染し、
パキロビッドの適応を満たした109254名のうち、
実際に投与が施行された3902名のデータを解析しています。
その結果、
年齢が65歳以上の患者においては、
新型コロナウイルス感染症による入院のリスクが、
パキロビッドの使用により、
73%(95%CI:0.15から0.49)有意に低下していました。
新型コロナ感染による死亡のリスクについても、
79%(95%CI:0.05から0.82)有意な低下が認められました。
一方で年齢が40から64歳の患者においては、
入院のリスク、死亡リスクのいずれにおいても、
パキロビッド使用による有意な低下は認められませんでした。
このように、
65歳以上の年齢層においては、
かなり明確な重症化予防効果が、
オミクロン株流行期においても認められましたが、
若年層においては有効性は確認されませんでした。
こうしたデータを基にして、
今後この薬の適応については、
より詳細な検証が必要であるように思います。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。