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新型コロナの今後について(2023年8月) [仕事のこと]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
COVID-19の2023年イギリスの現況.jpg
British Medical Journal誌に2023年8月15日付で掲載された、
イギリスの新型コロナの現況についての解説記事です。

今回は日本の状況と比較しながらまとめてみたいと思います。

イギリスにおいては、
新型コロナ患者の発生調査が2023年3月で中止となり、
2022年8月以降病院で施行される新型コロナの検査数も、
減少が続いています。
従って現在患者数を直接確認出来るような情報はなく、
新型コロナによる入院事例のみが、
報告され集計されているという状況であるようです。

日本では少し遅れて2023年5月8日以降、
新型コロナの位置付けが5類感染症となり、
全例報告が廃止されて、
他のインフルエンザ感染症などと同じように、
一部の定点医療機関からの報告のみが、
集計されているという状態になっています。

イギリスにおいては2023年7月までは、
入院の報告数は低い水準で推移していましたが、
8月4日の時点でそれまでの4週の倍を超える事例が、
新型コロナにより入院しています。
つまり、8月に入り新型コロナの患者が急増している、
という可能性が考えられます。

日本でも同様の経過が認められていて、
夏休みの期間に入り、正確な統計はありませんが、
クリニックの診療での体感としては、
新型コロナ患者が急増している、
という印象を持っています。

今の特徴としては、
新型コロナの急増と共に、
インフルエンザA型の感染が増えていることで、
症状からはその判別は困難で、
適宜新型コロナとインフルエンザの同時検出キットを、
活用して診断を行っているところです。

上記解説記事における今後の問題点としては、
まずワクチンの追加接種が対象をかなり限定して施行されているため、
ワクチンの免疫が低下する時期に、
再度感染の拡大が起こるのではないかという点が指摘されています。

また新たな変異株が主体となることにより、
重症化リスクの高い感染が、
再度拡大する可能性も指摘されています。

現行世界の一部の地域では、
より感染力が強く、免疫をすり抜ける能力の高い変異株が、
同定されていますが、
いずれもオミクロン株から派生したもので、
少なくとも明確に重症化が多い、
というような報告はまだないようです。

従って、オミクロン株を主体として、
そこから派生した変異株が流行を繰り返す、
というような今の状態が今後も続いてゆくのであれば、
季節性インフルエンザと同じように、
「少し怖いところもある流行する風邪」というくらいの対応で、
共生してゆくことが可能と思いますが、
そう上手くいってくれるという保証はなく、
初期の流行株やデルタ株に近い変異株が、
出現して流行した時の対応も、
常に考えつつ経過をみる必要があるのです。

こうしたイギリスの対応なども参考にしつつ、
日々の診療に当たりたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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