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簡単な呼吸法のリラックス効果 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
ため息のリラックス効果.jpg
Cell Reports Medicine誌に、
2023年1月17日ウェブ掲載された、
簡単な呼吸法のリラックス効果についての論文です。

精神的なストレスが強く、
常に自律神経が緊張している人の多い現代では、
簡単に短時間で交感神経系の緊張を緩め、
リラックスする方法が求められています。

その方法として現在広く使用されているのが、
マインドフルネス瞑想と呼ばれる手法で、
これは仏教の座禅などをヒントにして、
個人で出来る簡単な瞑想法をマニュアル化したもので、
一定のリラックス効果が科学的に認められています。

ただ、体得するには一定の訓練と時間とが必要で、
誰でも簡単に実行可能、
とまでは言えません。

もっと簡単な方法はないのでしょうか?

今回の臨床研究では、
3種類の簡単な呼吸法のリラックス効果を、
同じ時間で行われたマインドフルネス瞑想と、
比較検証しています。

新型コロナなどの理由で他人とのコンタクトが困難な、
108名の対象者をくじ引きで4つの群に分けると、
3種類の呼吸法施行群とマインドフルネス瞑想施行群に振り分けて、
いずれも毎日5分施行することを1か月継続します。
呼吸法は「周期的溜息」と名付けられた、
2回に分けて大きく息を吸い、ゆっくり時間を掛けて吐き切るというものと、
吸気と呼気の間に息止めを行い、その周期を継続するもの、
過呼吸と長い息止めを繰り返すものの、
3種類が検討されています。

その結果、施行1か月の時点での気分の改善などの効果は、
マインドフルネス瞑想よりも、
3種類の呼吸法群においてより高く認められ、
特に呼気時間を長くした周期的溜息において、
最も高くなっていました。

呼吸法はヨガや仏教などの修行においても、
基本となる鍛錬法の1つであり、
一時期流行したロングブレスダイエットも、
呼気時間を長くするという意味では、
「周期的溜息」という概念にも近いものです。
瞑想はどうしても観念的で、
多くの人にとって気軽に行うにはハードルの高い面があり、
今後自律神経の緊張を取り、
リラックス効果を図る方法の中で、
呼吸法の指導は、
今後より広く普及することになるかも知れません。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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