SSブログ

東大寺四月堂 [仏像]

こんにちは。
石原藤樹です。

今日は日曜日で診療所は休診です。でも、色々とやることは山積みで、
更新は夕方になってしまいました。

休みの日は趣味の話題です。

今日は比較的マイナーな仏像とお堂の話です。

それがこちら。
普賢菩薩四月堂.jpg


東大寺の四月堂に安置されている、
普賢菩薩像です。

普賢菩薩は文殊菩薩と対のような存在で、
お釈迦様の両脇侍となっていることが多いのですが、
普賢菩薩が独立して祀られることもあり、
その場合はこのように、
象の上に乗った姿で造形されます。

対になる文殊菩薩は獅子に乗った姿で造形され、
こちらは作例が多く残っているのですが、
象に乗った普賢菩薩の仏像は、
それほど古仏としては見ることが出来ません。
その中では岩船寺の普賢菩薩像が有名で、
次に語られることの多いのが、
この東大寺四月堂の仏様です。
ただ、時代は室町と少し下るので、
重要文化財などの指定は受けていません。

四月堂は三月堂のすぐそばにある小さなお堂です。
現在のお堂は江戸時代の再建になるもので、
当初は普賢菩薩が本尊であったという記録があるようです。
ただ、お堂のご本尊としては、
現在安置されているお像は小さいので、
別個の仏像であった可能性の方が高いと考えられています。

このお堂には明治の頃から、
長く平安時代の千手観音像が本尊として安置されていました。

特異なフォルムを持つ魅力的な仏様で、
僕は小学生の時に、
一度そのお姿をこのお堂で拝観しています。

それが諸般の事情があり、
東大寺ミュージアムという博物館に、
その千手観音が移動したために、
平成25年から平安時代の十一面観音像が、
代わりにご本尊としてお出ましになっています。

それほどの特徴はない、
水準作という感じの仏像ですが、
このこじんまりとしたお堂には、
非常にマッチしているように思います。

その隣には鎌倉時代の阿弥陀如来坐像がおられて、
この2つの仏様が重要文化財の指定を受けています。

そして、お堂の右奥に、
ひっそりとした感じで、
普賢菩薩を安置した厨子の戸が開いています。

岩船寺の普賢菩薩像は、
最近LEDライトが入ったので、
細部をそのまま見て取ることが可能ですが、
この四月堂ではそうしたものはないので、
目の前で拝んでも、
仏様は殆どシルエットのようにしか見えません。

それが、
お昼間の時間帯にゆっくりと目を凝らしていると、
少しずつ闇の中から仏様の美しいお顔が、
静かに浮かび上がって来るのです。

要するに陰翳礼讃の世界です。

こうしたところに、
些細な感動が潜んでいるのです。

四月堂は最近とても気に入っているお堂です。

重要文化財の仏像を2躯蔵しながら、
控え目で静かな感じでそこにあって、
補修を終えてそれほど経たないので、
極めて清潔で埃も殆ど積もっていません。
拝観料を取るようなこともなく、
いつも静かで、
それでいて係の方は常駐しているので、
御朱印をもらうことも出来ます。

仏像を拝観する環境としては、
結構理想的なのではないかしら、
といつも思うのです。

最後に御朱印をお見せします。
東大寺四月堂.jpg
それでは今日はこれだけです。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
nice!(13)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 13

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0