ピロリ菌除菌により著明に改善した慢性胃炎の1事例 [仕事のこと]
こんにちは。
六号通り診療所の石原です。
今日は胃カメラの日なので、
カルテの整理をして、
それから今PCに向かっています。
それでは今日の話題です。
今日は診療所で胃カメラ検査を行ない、
慢性胃炎を認めたためにピロリ菌の除菌治療を施行、
それにより著明に胃粘膜所見が改善した事例の、
胃カメラ画像を見て頂きます。
まずこちらをご覧下さい。
これは40代の男性の、
胃の中央部辺りの画像です。
色合いはかなり赤く、
全体に浮腫んだような粘膜で、
粘膜の襞も太くなっています。
表面の胃炎の所見ですが、
かなり慢性化した感じで、
軽度の萎縮性胃炎も伴っています。
次はこちらです。
こちらは胃の上部を見たものですが、
矢張り粘膜の表面の慢性のただれがあり、
粘膜の萎縮も伴っています。
慢性のこのような所見は、
ピロリ菌に起因する慢性胃炎の、
比較的特徴的な所見です。
現在では慢性萎縮性胃炎は、
ピロリ菌除菌の保険適応となっています。
それで患者さんとも相談の上、
除菌の治療を行ないました。
その1年後の胃カメラ検査の結果がこちらです。
これは最初の画像とほぼ同じ部位ですが、
粘膜の赤味と浮腫みが取れ、
すっきりとした所見となっていることが分かります。
萎縮性の変化も殆ど認められません。
それでは次を。
これも2枚目の画像とほぼ同じアングルですが、
こちらも著明に改善していることが分かります。
このように、
粘膜がただれているような時期に、
慢性胃炎に対して除菌治療を行なうと、
その効果は極めて劇的です。
ただ、
これは必ずしも患者さんの症状の改善には、
結び付かないこともあります。
こうした胃炎が実際に症状を出すことは、
それほど多いものではないからです。
また、
同じピロリ菌の感染でも、
萎縮性胃炎が高度の進行したようなケースでは、
あまり除菌による粘膜の状態の改善は見込めません。
従って、
粘膜の状態が悪くなければ、
ピロリ菌に感染しているからと言って、
除菌治療をそう慌てることはないのですが、
萎縮性胃炎が進行する前に、
除菌をすることは肝要のように思います。
勿論、
進行した萎縮性胃炎における除菌治療も、
胃癌の予防という観点からは、
意義のあるものですが、
胃粘膜の状態を改善するには、
それより前の段階での除菌が必要なのだと思います。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
下記書籍引き続き発売中です。
よろしくお願いします。
六号通り診療所の石原です。
今日は胃カメラの日なので、
カルテの整理をして、
それから今PCに向かっています。
それでは今日の話題です。
今日は診療所で胃カメラ検査を行ない、
慢性胃炎を認めたためにピロリ菌の除菌治療を施行、
それにより著明に胃粘膜所見が改善した事例の、
胃カメラ画像を見て頂きます。
まずこちらをご覧下さい。
これは40代の男性の、
胃の中央部辺りの画像です。
色合いはかなり赤く、
全体に浮腫んだような粘膜で、
粘膜の襞も太くなっています。
表面の胃炎の所見ですが、
かなり慢性化した感じで、
軽度の萎縮性胃炎も伴っています。
次はこちらです。
こちらは胃の上部を見たものですが、
矢張り粘膜の表面の慢性のただれがあり、
粘膜の萎縮も伴っています。
慢性のこのような所見は、
ピロリ菌に起因する慢性胃炎の、
比較的特徴的な所見です。
現在では慢性萎縮性胃炎は、
ピロリ菌除菌の保険適応となっています。
それで患者さんとも相談の上、
除菌の治療を行ないました。
その1年後の胃カメラ検査の結果がこちらです。
これは最初の画像とほぼ同じ部位ですが、
粘膜の赤味と浮腫みが取れ、
すっきりとした所見となっていることが分かります。
萎縮性の変化も殆ど認められません。
それでは次を。
これも2枚目の画像とほぼ同じアングルですが、
こちらも著明に改善していることが分かります。
このように、
粘膜がただれているような時期に、
慢性胃炎に対して除菌治療を行なうと、
その効果は極めて劇的です。
ただ、
これは必ずしも患者さんの症状の改善には、
結び付かないこともあります。
こうした胃炎が実際に症状を出すことは、
それほど多いものではないからです。
また、
同じピロリ菌の感染でも、
萎縮性胃炎が高度の進行したようなケースでは、
あまり除菌による粘膜の状態の改善は見込めません。
従って、
粘膜の状態が悪くなければ、
ピロリ菌に感染しているからと言って、
除菌治療をそう慌てることはないのですが、
萎縮性胃炎が進行する前に、
除菌をすることは肝要のように思います。
勿論、
進行した萎縮性胃炎における除菌治療も、
胃癌の予防という観点からは、
意義のあるものですが、
胃粘膜の状態を改善するには、
それより前の段階での除菌が必要なのだと思います。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
下記書籍引き続き発売中です。
よろしくお願いします。
健康で100歳を迎えるには医療常識を信じるな! ここ10年で変わった長生きの秘訣
- 作者: 石原藤樹
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2014/05/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
健康で100歳を迎えるには医療常識を信じるな! [ 石原藤樹 ]
- ショップ: 楽天ブックス
- 価格: 1,296 円
2015-02-10 08:08
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コメント(3)
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7,8年前にピロリ菌を除菌しました。
by Silvermac (2015-02-10 10:19)
Silvermacさんへ
いつもコメントありがとうございます。
除菌の適応も大分広がりました。
by fujiki (2015-02-11 09:35)
こんにちは。
いつも参考にさせていただいてます。
先日、胃カメラを受けてきました。
軽い逆流性食道炎と胃底腺ポリープとの診断でした。
質問なのですが、10年前人間ドッグの胃レントゲンで慢性胃炎と言われたのですが、今回は指摘がありませんでした。
慢性胃炎は治るのでしょうか。
by いるか (2017-12-28 14:43)