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ファン・ディエゴ・フローレス テノール・コンサート(2024年NBS招聘) [コロラトゥーラ]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診ですが、
終日レセプト作業の予定です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
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超絶的なコロラトゥーラの技術と、
その卓越した表現力とカリスマ性とで、
ロッシーニ歌いとして世界を席巻したスターテノール、
ファン・ディエゴ・フローレスが、
2022年に引き続いて、
リサイタルで来日しました。

僕は最初にボローニャ歌劇場の2002年来日公演で、
「セビリアの理髪師」を歌ったのを聴いて、
そのラストの大アリアを含めた見事な歌唱に、
びっくり仰天しました。
その後2006年に同じボローニャ歌劇場の「連帯の娘」でも来日し、
その時は来日全公演に足を運びました。
時にハイDまで至る超高音を見事に響かせ、
有名なアリアでは全公演でアンコールも歌いました。
来日としてはこの時が絶頂期と言って良いと思います。
その後2011年は来日予定が震災のためにキャンセルとなり
次の来日は2019年のフジテレビ関係の招聘したリサイタルでした。
その間にかなりベルカント主体に歌うレパートリーをシフトさせていたので、
その点の危惧はあったのですが、
その声には以前の輝かしさはなく、
「声を張り上げて歌う」普通のベルカントテノールになっていました。

その後NBSの招聘で2022年にもリサイタルを開きましたが、
アンコールの「連帯の娘」で少し踏ん張ってくれたものの、
矢張りその声の変化は否めませんでした。

今回のリサイタルは、
前半はロッシーニも歌い、
モーツァルトも歌ってくれたのですが、
声質はもう明らかにコロラトゥーラのものではなく、
ヴェルディやプッチーニを主なレパートリーとする、
中音域を主体に声を張り上げて歓声を浴びるような、
僕にはあまり興味が沸かないタイプの歌手に変貌していました。

あの輝かしい高音と完璧なアジリタの技巧が、
失われてしまったことは本当に切ないのですが、
それはもう仕方のないことなのかも知れません。
超高音を大切にする歌手もいる一方で、
演じられる役柄を自分の年齢による声質の変化に合わせて、
変えていくような歌手もいるからです。

ただ、フローレスはロッシーニ歌いとしては、
ここ20年くらい特別な存在であったので、
1人のファンとしてはとても切ない思いではあるのです。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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