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2023年劇団☆新感線43周年興行・秋公演 いのうえ歌舞伎「天號星(てんごうせい)」 [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で午前午後とも石田医師が外来を担当する予定です。

土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
天號星②.jpg
劇団☆新感線の本公演が、
歌舞伎町タワーにあるTHEATER MILANO-ZAで、
今上演されています。

これは劇団公演のメインストリームである、
中島かずき作・いのうえひでのり演出の、
いのうえ歌舞伎の新作です。

舞台となったTHEATER MILANO-ZAは、
その名の通り昔映画館ミラノ座のあった場所に誕生した劇場で、
キャパは800席程度とシアターコクーンを一回り大きくしたくらい、
最近劇団☆新感線が公演している劇場の中では、
一番小さな小屋と言って良いと思います。
そのアットホームな感じが、
昔を感じさせて悪くありませんでした。

作品は必殺仕事人をベースにした暗殺集団同士の抗争に、
2人の主人公の心と体が入れ替わるという、
「転校生」の趣向を取り込んだもので、
ダークな殺し屋役の早乙女太一さんと、
気弱なおじさん役の古田新太さんが、
入れ替わるというのが演劇的にはとても豪華な趣向です。

早乙女太一さん、友貴さんの兄弟が顔を揃え、
山本千尋さんが女剣士として参戦しますから、
アクション抜群の3人の美しい体技が、
一番の見どころで、
そこに座長の古田新太さんが硬軟織り交ぜた、
貫禄の座長芝居で踏ん張りを見せ、
人気者の久保史緒里さんが踊り巫女として、
3曲のオリジナルを歌うというサービスも用意されています。

内容的には今回はかなり実際の歌舞伎に寄せた台本で、
黙阿弥の世話物のような味わいがあります。
ただ、古典のようなドロドロした話には出来ないので、
どうしても薄味になってしまう、というきらいはあります。
前半はそれでもかなり人物描写が上手く嚙み合っていて、
本家の歌舞伎よりむしろ歌舞伎味においては、
優れた部分を感じるほどでしたが、
後半は正直物足りなさを感じてしまいました。
舞台転換も段取りのみというところが散見されましたし、
絵面も最後まで地味でした。
それを超える情念のようなものがもっと迸らないと、
こうした物語は成立しないと思うのですが、
その点は本家の歌舞伎劇には及びませんでした。

矢張り新感線は、
仰々しく圧倒的に強い敵との大バトルにならないと、
盛り上がりには欠けるという気がしました。
最後は結局早乙女兄弟の対決で締め括られるので、
勿論それがレベル的には最上の対決ではあるのですが、
新感線の本公演でそれではなあ…という気がしてしまうのです。

でも、最近の新感線の作品の中では、
シンプルにまとまった良作と言って良く、
見どころ満載でまずは楽しく観ることの出来た1本でした。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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